野球U18W杯 日本5位 国際大会で勝つためには

野球U18W杯 日本5位 国際大会で勝つためには
韓国で行われた野球の18歳以下のワールドカップは、台湾が3回目の優勝を果たし、8日、10日間の日程を終えました。日本は3大会続いていたメダル獲得もならず、5位に終わりました。
今回は悲願の初優勝を目指し、去年10月プロジェクトチームを立ち上げて新たな取り組みを行いました。その1つが春の合宿です。

春のセンバツ高校野球が終わった直後の4月5日から3日間、およそ30人が国際大会での審判の特徴などを学んだほか、木製バットを使った練習もしました。

合宿に参加した東邦高校の熊田任洋選手は「外国人ピッチャーのけん制のしかたなどを聞いて国際大会のイメージができた。4月の合宿があったことですんなりチームに入ることができた」と話しました。

またメンバー選考もこれまでと違いました。この年代の国際大会は、ワールドカップとアジア選手権が1年おきに行われていますが、去年のアジア選手権のメンバーは18人中17人が直前の夏の甲子園に出場していました。

それがことしのワールドカップでは、選ばれた20人のうち7人が夏の地方大会で敗退した選手でした。

永田裕治監督はメンバー選考について「技術・振興委員会のプロジェクトチームに選んでもらった」と述べるにとどまりましたが、夏の甲子園を終えたあとの過密日程や、木製バットへの対応を踏まえたものとみられます。

投手陣では、夏の甲子園で準優勝した星稜高校の奥川恭伸投手が、疲労のため1次リーグで1試合も投げられなかった一方、夏の甲子園に出ていない創志学園の西純矢投手が4試合で206球、興南高校の宮城大弥投手は3試合で159球を投げて結果も残しました。

チーム防御率は1.58、奪った三振が62回3分の2で93個。ふだんと異なるストライクゾーンやボールに対応し、日本のピッチャーの質の高さを示しました。

また打線では、東邦高校の石川昂弥選手と熊田選手が夏の甲子園出場を逃したあと、8月上旬から10日間、社会人野球の強豪 JR東海の練習に参加しました。

木製バットへの対応を確認するなど「十分な準備ができた」と言い、石川選手はホームラン1本を含む9打点、熊田選手は8打点をマークしてともに3割を超える打率を残しました。

その一方でチーム打率は2割5分9厘にとどまり、決勝に進んだアメリカ、台湾がともに3割を超える打率をマークしていたのと比べると投手陣を援護できたとはいえません。(記録は準決勝終了時)

日本は打てない時は、持ち味の小技を絡めた相手の嫌がる試合運びをできるかが問われたとも言えます。そして大会期間中の新たな取り組みでは、相手チームなどの分析担当コーチをつけて戦ったことがあります。

担ったのは高知高校の前監督、島田達二さん。島田コーチは大会期間中、ビデオカメラを携えてライバルチームの試合に出向き、バットが下から出るとか、引っ張る傾向にあるなどバッターのスイングの特徴を撮影しながら調べたり、ピッチャーの球質や球種、それに癖を分析したりして、永田監督や選手にアドバイスしたということです。

2次リーグ初戦のカナダ戦で永田監督は「カナダは『緩急に弱い』という分析だった。バッテリーと話して変化球で組み立てるように伝えた」と話していて、奥川恭伸投手がスライダーを効果的に使って、7回で18個の三振を奪う好投を見せました。

またバッターの1人は「映像を見ることで球の質やクセを頭に入れて打席に入ることができた。映像があるだけで全然違う」と、初対戦のピッチャーが多い中で効果を実感していました。

それでも島田コーチは「結果につなげることができず申し訳ない。相手の分析は必要だと感じたので、選手にどのような形で情報提供するかなど、検証していきたい」と話していました。

今回のワールドカップは5位という悔しい結果に終わりましたが、国際大会で勝てるチームを目指すには、こうした取り組みを検証して、よりより形で大会に臨めるようにチーム作りを進めていく必要があります。