日米首脳会談始まる 大枠合意の貿易交渉などで意見交換

日米首脳会談始まる 大枠合意の貿易交渉などで意見交換
G7サミット=主要7か国首脳会議に出席するため、フランスを訪れている安倍総理大臣は、先ほどからアメリカのトランプ大統領と会談しています。会談の冒頭、トランプ大統領は、日米の貿易交渉について「この会議のあとに発表できるかもしれない」と述べました。
安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領との会談は、日本時間の先ほど午後6時半ごろから始まりました。

会談の冒頭、安倍総理大臣は「同盟の深化や、北朝鮮やイランなどの地域情勢のほか、日米の貿易・経済について議論したい」と述べました。

これに対し、トランプ大統領は、日米の貿易交渉について「大きな取り引きができた。この会議のあとに発表できるかもしれない」と述べました。

両首脳の会談は、ことし6月のG20大阪サミットにあわせて行われて以来で、今回で13回目となります。会談では、日米の貿易交渉をめぐり、先に行われた閣僚協議で、アメリカが求めていた農産品の市場開放はTPP協定の水準を限度とすることなどで事実上の大枠合意に達したことを踏まえ、その内容を確認するとともに、妥結の時期などをめぐり、意見を交わしているものとみられます。

また、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への対応や、中東のホルムズ海峡の安全確保のため、アメリカが結成を目指している有志連合への参加などをめぐっても、意見を交わすものとみられます。

さらに、韓国が日韓の軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」の破棄を通告したことを受けて、両首脳の間でどのようなやり取りが行われるのかも注目されます。

日米双方の主張と経緯

日米の貿易交渉はことし4月、茂木経済再生担当大臣とライトハイザー通商代表による閣僚級の会合で本格的に始まりました。

アメリカは来年の大統領選挙に向けた成果をアピールしたいトランプ大統領の意向を踏まえ、牛肉や豚肉といった農産品の関税の引き下げなど大幅な市場開放を求めています。

これに対し、日本側はTPP=環太平洋パートナーシップ協定など、これまでにほかの国と締結した経済連携協定の水準を超える関税の引き下げなどは受け入れられないという立場です。

また、双方の利益とするためには一方的な譲歩はできないとしてアメリカに対して、自動車や関連部品などの工業品にかけている関税の撤廃や引き下げを求めています。

ことし5月に東京で行われた日米の首脳会談の場でアメリカのトランプ大統領は「おそらく8月には両国にとってよい発表ができるだろう」と述べて、早期の妥結に強い意欲を示していました。

アメリカが交渉を急ぐ背景には、TPP参加国のカナダやオーストラリアなどに対して農産品の関税がすでに引き下げられ日本への輸出が増えていることや、米中の貿易摩擦が長期化し、大豆の輸出が大きく減るなどアメリカの農家の不満が高まってきたこともあるとみられます。

閣僚級の会合は4月以降7回にのぼり、貿易交渉としては異例のスピードで協議が行われ、妥協点を探ってきました。

そして、当初の日程を1日延長してG7サミットの直前まで行われた閣僚協議で、日本が輸入する牛肉などの関税をTPPで認めた水準まで引き下げる一方、アメリカは工業品の関税を幅広く撤廃し、自動車の関税の扱いは協議を継続する方向で、一致しました。

政府関係者は、「事務的に詰める作業は残るが、農産品の関税引き下げはこれまでの経済連携協定の枠を超えるものではない。アメリカが関税を撤廃する工業品の範囲も、農産品の譲歩に十分に見合うものだ」と話しています。