増税前の駆け込み需要ねらい早くも「冬物商戦」始まる

増税前の駆け込み需要ねらい早くも「冬物商戦」始まる
厳しい暑さが続く中、流通大手は早くも冬物商戦を始めました。
ことし10月の消費税率の引き上げを前に、商戦を1か月以上前倒しすることで駆け込み需要を取り込むねらいです。
流通大手「イオン」は19日、東京・板橋区の店舗で冬物商戦の発表会を開きました。

この会社では、羽毛布団並みの暖かさをアピールした合繊の素材の掛け布団や、水を使わずに煮込み料理を作ることができるという鍋など、冬物の商品およそ500品を全国520の店舗で販売するということです。

会社によりますと、冬物の商品の販売は例年9月下旬ごろから始めるということです。

しかしことしは、10月に消費税率の引き上げを控えていることから、冬物商戦を1か月前倒しすることで増税前の駆け込み需要を取り込むねらいがあります。

孫と買い物に来ていた60歳の女性は、「生活に必要な物は、いずれ買わなければいけないので、必要な物は増税前に買おうと思います」と話していました。

イオンリテールの久永晋也事業部長は「増税前後の駆け込みやその後の反動減は確実にあるし、不安もあるが、しっかり準備をすることで売り上げを伸ばしたい」と話しています。

消費増税 目立った駆け込み需要見られず

前回、5年前に消費税率を5%から8%に引き上げた際には、増税の半年以上前から住宅や自動車など金額が大きいものを中心に駆け込み需要が起きました。

増税直前の平成26年1月から3月までのGDP=国内総生産の伸び率は物価の変動を除いた実質で前の3か月に比べてプラス1%で、このうち、個人消費はプラス2%と高い伸びとなりました。

しかし、その反動で増税後は消費が落ち込み、増税直後の平成26年4月から6月までのGDPはマイナス1.9%。

個人消費はマイナス4.8%と景気が冷え込みました。

こうしたことから、政府は今回の増税に伴う景気の落ち込みを防ごうと、ことし10月以降、大規模な景気対策を実施することにしています。

クレジットカードなどのキャッシュレス決済を対象にしたポイント還元制度を導入するほか、住宅や自動車を対象にした減税措置などを行う予定です。

こうしたこともあって、今回の消費税率引き上げは前回に比べ目立った駆け込み需要は今のところ見られないということです。

例えば、先月の1か月間に国内で販売された新車の台数は去年の同じ月より4%増えましたが、増税直前に2桁の増加となった前回の増税時に比べると低い伸びにとどまっています。

また、ことし6月に全国で着工された住宅も去年の同じ月に比べると、ほぼ横ばいにとどまっています。

消費税率の引き上げについて、帝国データバンクがことし6月、全国の企業を対象にアンケート調査したところ、回答したおよそ1万社の半数近くが「駆け込み需要を見込んでいない」と回答し、中には「消費者の節約志向は根強い」という企業の声もあったということです。