香港で抗議のデモ行進 日本でも集会開催で一時騒然

香港で抗議のデモ行進 日本でも集会開催で一時騒然
香港で抗議活動が続く中、週末を迎えた17日も市街地でデモ行進が行われ、参加者たちは香港政府が対応を改めるまで抗議活動を続けると主張しました。
香港では容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐり、2か月以上にわたって抗議活動が続いていて、この週末も複数の抗議活動が呼びかけられています。

このうち、中国本土からの観光客が多く訪れる地区では17日、多くの参加者が集まり、デモ行進を行いました。

今回のデモ行進については、警察が一時、反対する通知を出していましたが、ルートを変更したことなどから一転して認められ、参加者たちは小雨が降る中、条例の改正案の完全な撤回や警察の強制排除でけが人が出たことなどの責任を追及するよう訴えました。

デモに参加した22歳の女性は「香港政府はわれわれの要求に応えておらず、政府が最終的に訴えを受け入れるまで、長期にわたって抗議活動を続けていきます」と話していました。

香港では18日も大規模なデモ行進が呼びかけられていますが、警察はこれに反対する通知を出していて、参加者と警察が衝突することも懸念されています。

香港に隣接する中国広東省深※センには、中国軍の指揮下にある武装警察の部隊が集結していて、抗議活動の広がりをけん制するねらいがあるとみられます。

※センは土偏に川

香港の観光業に大きな打撃

長引く抗議活動で打撃を受けているのが観光業です。

去年1年間に香港を訪れた人はおよそ6500万人にのぼり、香港にとって、観光は基幹産業の1つです。

先週、空港での抗議活動で1000便近くが欠航する事態となったことを受けて、16日には、香港島の中心部で旅行業界に携わる人たちおよそ500人が参加してデモ行進が行われました。

参加した人たちは、「衝突が相次ぎ、海外からの旅行客が減っている」として、一日も早く抗議活動を収束させるよう訴えました。

インドネシアやフィリピンなど東南アジアからの国々から香港を訪れる観光客向けのツアーを企画している旅行会社では、ひと月に3000人以上の団体客を受け入れてきました。

しかし、抗議活動が過激化し始めた7月に入ってから、予約のキャンセルが相次ぎ、受け入れた旅行客の数は例年の半分近くに落ち込んでいるということです。

この時期に始まる年末年始に向けた団体ツアーの予約は10分の1程度にとどまっているということで、仕事のない従業員には休暇を取らせているということです。

会社の代表の謝淦廷さんは、「警察との衝突が2、3日に1度起きている状況で、観光客はこんな香港を見たくないでしょう。多くの国が渡航の注意を呼びかけていますし、条件は非常によくないです。いつまで続くのかも予想できないし、この先、私たちにはどうしていいのかわかりません」と話していました。

香港の見本市会場にも影響

今月15日から始まった50万人が訪れるアジア最大規模の食品見本市、「フード・エクスポ」にも影響が出ています。

このうち、去年も来たという貿易会社の女性は、「いつもは混雑して列が長いのに、今回はすぐに入場できた」と話していたほか、毎年来ているという一般来場者の男性は、「ことしの人出は3割くらい減っているように思います」と話していました。

また、調味料を紹介するため出展したタイのメーカーの担当者は、「中国本土からのバイヤーの商談の予約が入っていましたが キャンセルになりました。今後のビジネスにも影響が出そうです」と話していました。

日本でも抗議集会 一時騒然

こうした中、日本で暮らす香港出身の人たちが香港政府や警察の対応に抗議の意思を示そうと、17日、都内で緊急の抗議集会を開き、SNS上の呼びかけで、およそ400人が集まりました。

参加者たちは「香港警察の暴力に絶対反対」などと書かれたプラカードを持って、東京にある香港政府の事務所まで行進しました。

そして、事務所近くに到着すると、参加者の代表が条例の改正案の完全な撤回や、警察の職権乱用の追及などを求める声明を読み上げて、事務所の郵便受けに投かんしました。

17日の抗議集会では、集合場所の周辺で中国の国旗を掲げたり国歌を大音量で流したりして、集会の開催に反対する中国本土出身とみられる人たちも集まり、警戒に当たっていた警察などと言い争いになり、現場は一時騒然となりました。

集会を呼びかけた男性は「香港の現状に怒りや悲しみを感じ、香港にエールを送って自分たちの思いを訴える機会を作りたかった。平和でみんなが傷つかずに収束すればいいが、譲れないことは主張し、香港の未来につなげたい」と話していました。

明治神宮に双方の主張の絵馬

外国人観光客も多く訪れる東京の明治神宮に、抗議活動をめぐって支持と反対の双方の主張が中国語で書かれた絵馬が数多くかけられていることが分かりました。

東京の明治神宮には、中国語で「香港頑張れ」とか「香港に神のご加護を」などと書き込まれた香港の抗議活動を支持する絵馬や「香港独立派は全滅しろ、香港は中国だ」とか「独立したければ、出て行って新たな大陸を探せ」などと、抗議活動に反対する絵馬が数多くかけられていることが分かりました。

これらの絵馬は香港や中国本土から訪れた観光客がかけたものとみられます。

これについて、中国や日本のSNS上には「愛国心は理解するが、愛国には礼儀が必要だ。あなたのひと言や行動が中国を代表している」などと絵馬への書き込みに否定的なコメントや「どっちもどっちだ。他国の神聖な場所で政治問題を持ち込むなんて無礼千万」といったコメントが見られました。