米 台湾に新型F16戦闘機売却か

米 台湾に新型F16戦闘機売却か
k10012038781_201908170639_201908170642.mp4
アメリカの複数のメディアは、トランプ政権が台湾に対し、60機あまりの新型のF16戦闘機、日本円でおよそ8500億円相当を新たに売却する手続きを進めていると伝えました。
貿易問題などで対立する中国をけん制する狙いがあるとみられ、中国が強く反発することは避けられない見通しです。
アメリカの有力紙ワシントン・ポストなど複数のメディアは16日、トランプ政権が台湾に対し、66機の新型のF16戦闘機、あわせて80億ドル、日本円にしておよそ8500億円相当を新たに売却するため、議会に非公式に通知したと伝えました。

売却は、台湾への圧力を強める中国に対抗するため、装備の近代化を進める台湾の蔡英文総統の求めに応じた形で、アメリカのメディアは一度に決定する武器の売却額としては、この数年で最大規模になるとしています。

トランプ政権は先月も、台湾に対し100両を超える戦車や、地対空ミサイルなど、日本円で2300億円あまりの武器売却を決定するなど、台湾への安全保障面での関与を強めています。

トランプ政権としては、米中の貿易摩擦が激しさを増す中、中国をけん制する狙いがあるとみられますが、中国が強く反発することは避けられない見通しです。

蔡総統「空の防衛力を改善・強化」

台北では15日、防衛産業などに関する展示会でF16戦闘機の新型機「F16V」のフライトシミュレーターが公開されました。会場には、蔡英文総統もみずから訪れ、シミュレーターを使って操縦を体験しました。
蔡総統は「台湾の空の防衛力を改善、強化しているところで、F16戦闘機をさらに保有し、防衛力を強化していきたい」と述べ、売却に期待を示していました。

中国外務省「中国の内政への干渉」

これに先立って、中国外務省の華春瑩報道官は16日、コメントを発表し、「中国の内政への干渉であるうえ、中国の主権と安全保障上の利益を損ねるもので、断固として反対する」としたうえで、アメリカが台湾への武器売却をやめ、台湾との軍事的な協力関係を停止するよう求めていました。

台湾が米に売却を求める背景

アメリカは、台湾と40年前に外交関係を断って以降も戦闘機やミサイルなどの売却を続け、中国との軍事バランスを維持してきました。F16戦闘機については、台湾は現在、144機を保有していますが、1992年に旧型機が売却されたのが最後で、老朽化が指摘されています。

台湾はそれ以降もアメリカ政府に対して戦闘機の売却を要望してきましたが、認められていませんでした。

しかし3年前に就任した蔡英文総統は、ここ最近、台湾周辺での活動を活発化させている中国軍機に対応するため、アメリカ政府に対し、売却に向けた働きかけを強めていました。

ことしに入ってからは、F16戦闘機の新型機「F16V」66機の売却を求める要望書をアメリカ側に提出していました。

製造元のロッキード・マーチン社などによりますと、新型機はレーダーの機能が旧型機に比べて向上し、同時に複数の標的を捉えることができるということです。

また操縦方法も旧型機とほぼ同様で、別の機種の導入に比べてパイロットの訓練にかかる時間が少なく、即戦力が期待できることも利点の1つだということです。