イスラエル 米議会女性議員2人の入国拒否 政権に批判的で

イスラエルのネタニヤフ政権は、イスラエルに批判的だとしてアメリカ議会の議員2人が計画していた入国を拒否する異例の方針を明らかにしました。議員らはトランプ大統領にも否定的な立場で、トランプ大統領が入国拒否の措置をとるよう呼びかけていたことから両国の政権の密接な関係が浮き彫りになった形です。
アメリカの民主党の女性議員でいずれもイスラム教徒の、パレスチナ系のタリブ氏とソマリア出身のオマル氏は近くイスラエルに入国したあと、聖地エルサレムやヨルダン川西岸を訪れてイスラエルが国際法に違反して続けるパレスチナ占領の実態を視察することを計画していました。

これについてイスラエルのホトベリ外務次官は15日、議員らが反イスラエルの立場であることを理由に挙げたうえで、「この議員たちの入国は認められない。これは妥当な判断だ」と述べ、入国を拒否する方針を明らかにしました。

イスラエルはこれまでも自国に批判的なNGO関係者らの入国を拒否していますが、同盟関係にあるアメリカの議会議員の入国を拒否したことはなく極めて異例の対応です。

入国が認められないとされた議員2人は、いずれもトランプ大統領にも否定的な立場であるため、トランプ大統領がイスラエルのネタニヤフ政権に入国拒否の対応をとるよう呼びかけており、今回の異例の対応によって両国の政権の密接な関係が改めて浮き彫りになった形です。

タリブ議員「イスラエルは軟弱」

タリブ議員は「パレスチナ人の祖母を持つ、私というアメリカ議会の議員の入国を禁止するということは、イスラエルの軟弱さとともにパレスチナの人々が置かれている現実がいかに恐ろしいものかを物語っている」とツイッターに投稿しイスラエル政府の対応を批判しました。

オマル議員「トランプ大統領の圧力だ」

オマル議員は声明を出し、「ネタニヤフ首相がトランプ大統領の圧力を受けてアメリカの議員の入国を拒否したのは恥ずべきことだ」と述べて、ネタニヤフ政権が入国拒否という異例の対応に踏み切ったのはトランプ大統領の働きかけがあったためだという考えを示しました。

そのうえで「これまでネタニヤフ首相が中東和平の努力に反対してきたことを考えれば今回の対応も驚くに値しないかもしれない。だが中東地域で唯一の『民主主義国家』を標ぼうするイスラエルが入国拒否の対応を取ったのは民主主義の価値への冒とくだ」と述べてイスラエルを激しく非難しました。

イスラエル首相「挑発するのが目的だった」

イスラエルのネタニヤフ首相は声明を出し、「イスラエルは民主国家であり批判の自由があるが、ひとつだけ例外がある。イスラエルに対するボイコットを呼びかける人物の入国は法律で禁止されていることだ」として入国を拒否したのはタリブ議員らがイスラエルに対する政治的、経済的なボイコットを呼びかける運動を支持しているためだと述べました。

また、タリブ議員らが計画していたパレスチナの占領地への視察については「イスラエルに害をもたらし、挑発するのが目的だった」としていてアメリカの議員の視察で違法な占領についてイスラエルへの国際的な批判が高まることを警戒したことも伺えます。

トランプ大統領 イスラエル政府の判断に理解

アメリカのトランプ大統領は15日、記者団に対し、「オマルとタリブの行ってきた発言は非常に恥ずべきことで、イスラエルが彼女たちの入国を許可する理由が見当たらない」と述べ、アメリカの野党・民主党の下院議員2人の入国を拒否するというイスラエル政府の判断に理解を示しました。

PLO イスラエルの対応を激しく批判

パレスチナを国際的に代表する、PLO=パレスチナ解放機構は声明を出し、「2人の議員はパレスチナの人々が直面する占領の現実を視察しようとした。こうした視察はアメリカ議会の議員の権利であり義務であるはずだ。それをイスラエルが妨害するのはとんでもないことだ。さらにイスラエルはパレスチナの人々が外国と交流する権利すら奪おうとしている」と述べて、イスラエルの対応を激しく批判しました。