W杯来月20開幕 日本のキーマン 福岡堅樹に直撃

W杯来月20開幕 日本のキーマン 福岡堅樹に直撃
ラグビーワールドカップ日本大会は、来月20日に開幕を迎えます。初のベスト8以上を目指す、日本代表は先月からのテストマッチで3連勝し、世界ランキングは過去最高に並ぶ9位に上がるなど期待が高まっています。
日本代表のトライゲッターとして活躍が期待されるウイングの福岡堅樹選手を、ニュースウオッチ9の桑子真帆キャスターと一橋忠之アナウンサーが直撃。1か月後に迫った大舞台への意気込みなどを聞きました。
取材に訪れたのは群馬県太田市。福岡選手の所属するパナソニックの練習拠点です。
福岡選手の第一印象は…。

(桑子キャスター)
「ラグビー選手は、体がドンとしていると思っていましたが、小柄と言ったら失礼ですが、身長は?」

(福岡選手)
「176です。自分の強みは大きさではないので…」

(桑子キャスター)
「“速さ”ですよね。でもやっぱり胸板は…」
(桑子キャスター)
「かたっ!いい筋肉していますね」

50mのタイム5秒8

福岡選手は、高校卒業後、筑波大学へ進学。大学2年生の時にはじめて日本代表に招集されました。

持ち味は50m、5秒8のスピードです。
前回2015年のワールドカップイングランド大会に出場したほか、リオデジャネイロオリンピックには7人制の代表として出場しました。
スピードを強みに、いまや日本代表のトライゲッターとして無くてはならない存在となった福岡選手。先月からのテストマッチは3試合連続トライと活躍。日本の3連勝に貢献しました。

“チーム力”が結果に出ている

(一橋アナウンサー)
「ワールドカップまであと1か月というタイミングで、テストマッチは3試合にいずれも快勝でした。手応えは?」

(福岡選手)
「チームとして今まできついこともやってきて、本当に激しい合宿の中でチームを作り上げてきました。そのチーム力っていうのが結果としてでていると思いますし、チームとして本当に自信になっていると思います」

“速さ”の理由

(桑子キャスター)
「試合では、選手がかたまっている中で、気付いたら福岡さんが抜け出していました。なんであんなに速く走れるんですか?」

(福岡選手)
「答えづらいですね…。もちろん生まれもってのスピードの部分では自信を持ってる部分もありますし、それに加えて、自分たちでしっかりとトレーニングをして、スピードトレーニングだったり、今よりどうやったら走りがきれいになるかとか、そういうところも考えながらやっています」

(桑子キャスター)
「生まれもってですか?」

(福岡選手)
「そうですね。かけっことかは本当に幼稚園、小学校でほとんど負けなしでした」

(一橋アナウンサー)
「足の速さもさることながら、密集している中を抜けていくときは、どうなんですか。“走路”が見えるんですか?」

“走路”が見える

(福岡選手)
「見えるときは見えます。ある程度、立体的にここを内側にきって、ここを外に行くとかっていうコースは見えるときは見えますね」

(桑子キャスター)
「このパターンはこう行くとか?」

(福岡選手)
「ディフェンスの体の向きとか、相手の立ち位置とかで、こういう角度で入れば抜けそうだっていうのは何となく見えます」

“キック”からの攻撃

福岡選手は、日本が新たに取り組んできた戦術でも重要な役割を担っています。
それはキックを使った戦術。味方がキックしたボールを真っ先に走り込んでキャッチし、次の攻撃につなげます。
今回のテストマッチ3連戦の初戦となったフィジー戦。
司令塔の田村選手が空いたスペースをねらってキック。
そこに福岡選手が走り込んでトライを奪いました。
(一橋アナウンサー)
「フィジー戦のときに、田村選手のキックに反応したトライがありました。あのプレーはチームの戦術としてうまくいった場面ですか?」

(福岡選手)
「あの場面は、コミュニケーションがうまくいったからこそのトライだと思います。お互いに本当に長いことやってきているので、お互いのスピードだったり、キックの精度っていうものを信頼できているからこそのトライでした」

福岡選手には“勝てません”

NHKでは、日本代表候補の選手にアンケートを行い、「チームで自分が勝てない選手は誰か」を聞きました。

その結果、福岡選手を選んだのは最多の6人。
このうち5人は「足の速さ」を理由にあげました。
(桑子キャスター)
「堀江選手のようなフォワードの選手から、信頼できると思ってもらえるのは、特別なものがありますか?」

(福岡選手)
「うれしいですね。フォワードの選手は、自分の体を犠牲にしてボールをつなぐとか、前に出すことで、バックスにスペース与えるプレーしてくれるので、その人達がこいつにつなげばって思ってくれると、自分も確実にトライにつなげる責任があるというか、よりその重みが増すという意味で、すごくありがたいと思います」

“文武両道”

(桑子キャスター)
「福岡選手をあげた理由のほとんどは『足が速い』や『スピード』でしたが、徳永選手だけは『文武両道』『人間としてのレベルが高い』と書いていますが…」

(福岡選手)
「あとで連絡とっておきます。ありがとうって」
仲間から“文武両道”と評される福岡選手。
練習の合間に欠かさず行っているのは、医師になるための勉強です。

実は福岡選手、ワールドカップ、そして来年のオリンピックを最後に選手を引退することを決めているんです。
医師である父や祖父と同じ道に進むためといいます。
(一橋アナウンサー)
「医師を目指そうとした、きっかけは?」

(福岡選手)
「祖父に言われたことばで、傲慢に聞こえるかもしれませんが、『能力もってる人は、社会に還元する責任がある』と言われて、『お前にはそれができる力がある』と言われたので、そのことばが自分の中でも大きく残っています」

“自分にしか行けない道を進む”

(福岡選手)
「ラグビーだけで一流、世界のトップにはなれないと思っていますし、逆に勉強で、東大で勉強している人には勝てない。ただ文武両道の道で、一流になることは自分は負けないというか、自分らしく生きるという意味で、この道は自分にしかできないんじゃないかと思って、自分にしか行けない道をと思って進ませてもらっています」
福岡選手にとって、最後のワールドカップとなる日本大会の開幕はおよそ1か月後。
大会にかける思いを、福岡選手は『記憶に残る大会に』と書いてくれました。
(福岡選手)
「日本での大会という特別な大会で、いままでチームが成し遂げられなかったベスト8を絶対に達成したいです。個人としても自分の人生で最後になると思っているので、そこで『こういう選手がいたな』と覚えててもらえるような、みんなの記憶に残るような最高なプレーができればと、こういうことばにしました。100%勝つ気で頑張りたいと思います」
ワールドカップ日本大会の開幕は来月20日。日本代表の最終メンバー31人は、今月29日に発表されます。