香港国際空港 抗議活動で今夜7時以降の全便運航取り消し

香港国際空港 抗議活動で今夜7時以降の全便運航取り消し
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容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐり抗議活動が相次ぐ香港で12日、大勢の市民が国際空港内で座り込みを行い、香港政府は日本時間の午後7時以降の12日のすべての航空便の運航が取り消されたと発表しました。
香港では、市民が容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案の完全な撤回や、警察の対応が適切かどうかを調べる独立調査委員会の設立などを求めて抗議活動を続けています。

12日はSNSを通じて、日本時間の午後2時から空港内で抗議活動が呼びかけられていて、黒いTシャツ姿の人たちが大勢、到着ロビーに集まり、座り込みを行っています。

これを受けて、香港政府は日本時間の午後7時以降の12日のすべての航空便の運航が取り消されたと発表しました。運航再開のめどはたっていないということです。

香港では一連の抗議活動が始まってすでに2か月がすぎましたが、警察と抗議の若者たちとの間で衝突が相次いでいるほか、今月5日には、ストライキが呼びかけられ、200便以上が欠航するなど混乱が続いています。

「キャンセルは少なくとも170便」

香港国際空港のホームページによりますと、日本時間の12日午後7時から13日未明までで、キャンセルが決まっているのは、日本に向かう便を含め香港を出発する少なくとも170便に上っています。

香港の航空会社「13日朝まで全便キャンセル」

香港の航空会社キャセイパシフィックは、日本時間の午後6時前、ホームページで声明を発表し、香港の航空当局からの指示にもとづいて香港国際空港を出発する13日朝までの便をすべてキャンセルすると明らかにしました。

空港で行われている抗議活動が理由だとしていて、乗客に対し、「不要不急の渡航は延期し、空港には近づかないようにしてほしい」と呼びかけています。また、系列の航空会社、キャセイドラゴンもすべての便の運航を取り消すとしています。

香港国際空港「乗客はターミナルから離れて」

香港国際空港はホームページで声明を発表し「空港の業務は深刻な混乱をきたしていて、すべての便がキャンセルとなった。すべての乗客はなるべく早くターミナルから離れてほしい」と呼びかけています。

ロビーには疲れた様子で床に座り込む人も

抗議活動を受けて、多くの航空便の運航が取り消される事態になった香港国際空港の出発ロビーでは、12日夜電光掲示板にキャンセルの文字が並び、利用客が運航状況を確認していました。

また、疲れた様子で床に座り込む人たちの姿も見られました。

到着ロビーでは、黒い服を着た多くの若者たちが座り込みをして一角を占拠し、飛行機で到着した人たちに向けて香港政府や警察への抗議の声を上げたり、ビラを配ったりしてみずからの活動に支持を呼びかけていました。

壁には「香港警察を信じるな」とか「香港を取り戻せ」などと訴える数多くのビラが貼られ、ほとんどの店が閉まった状態になっていました。

香港政府 抗議活動を強く非難

空港での抗議活動で多くの航空便の運航が取り消される事態になったことを受けて、香港政府ナンバー2の張建宗 政務官が記者会見し「香港にとって重要な役割を果たす空港で違法な集会が行われ、それによって航空便の運航が取り消され、経済への影響は極めて重大だ」と指摘しました。

そのうえで、抗議活動が過激化しているとして「暴力的な行為には、強い憤りを感じており、強く非難する。一切の暴力と社会を分断する行為をやめるべきだ」と強く非難しました。

また、航空業務を担当する陳帆 運輸局長は「香港の空港は開港以来、天気の影響で運航ができなくなったことはあったが、きょうのように人為的な原因によって、運航ができなかったことはこれまでなかった」と述べて、抗議活動を非難しました。

そのうえで「乗客や空港スタッフの安全を確保するため、やむをえない措置だった」と述べて、空港内にとどまっている抗議活動の参加者に対し、速やかに解散するよう求めました。

中国政府「テロの兆し」と厳しく非難

香港で続く抗議活動について、中国政府の担当部門の報道官はデモ隊の行為が過激化しているとして「香港でテロの兆しが出始めている」などと厳しく非難しました。

香港では、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐって市民の抗議活動が続いていて、11日も各地でデモ隊と警察の衝突が相次ぎました。

国営の中国中央テレビによりますと、これについて、中国政府で香港を担当する香港マカオ事務弁公室の楊光報道官が12日記者会見し、一部のデモ隊が11日夜、複数の警察署に向けてガソリンをつめた瓶を投げつけ、警察官がやけどをしたなどとして「結果を顧みない重大な犯罪行為を強く糾弾する」と述べました。

そのうえで「香港にはテロの兆しが出始めており、香港市民の生命や安全にとって大きな脅威だ」と厳しく非難しました。

さらに、楊報道官は「香港は瀬戸際にきている」として、香港の市民に対し、犯罪や暴力に反対し秩序を取り戻すよう呼びかけました。

日本人旅行客も足止め

香港国際空港では、デモ隊のほか、欠航の影響で足止めされた多くの旅行客たちが、無人のチェックインカウンターの前などで座り込む姿が見られ、中には日本人旅行客の姿もあります。

このうち台湾を経由して日本に帰国しようとしていた男性は「デモの目的も分かりますが、観光客に影響を与えるのはいかがなものかと思う。航空会社とも連絡がつかず困っている」と話していました。

また、別の日本人の男性も「このまま帰ることができるか不安です」と途方にくれた様子で話していました。

チャイナエアライン 飛行予定確認を呼びかけ

台湾の航空会社、チャイナエアラインは、ホームページを更新し「香港国際空港は今月12日のすべての発着便をキャンセルしたと発表した」としたうえで、最新のスケジュールを確認するよう呼びかけています。

深センでは武装警察集結の映像も 香港活動をけん制か

中国共産党系のメディア「環球時報」の英語版は、中国の人民解放軍の指揮下にある武装警察が大規模な訓練のため、香港に隣接する広東省深※センに集結していると伝えました。

これに合わせて50秒余りの映像も公開し、この中では多くの装甲車などの車列が高速道路を通って続々と深センに集結している様子が撮影されています。

「環球時報」がこうした映像を公開する背景には、中国政府が香港で続く抗議活動のさらなる広がりをけん制するねらいがあるとみられます。
※センは、土偏に川。