海星 「打てそうで打てない」ピッチングの秘密は

海星 「打てそうで打てない」ピッチングの秘密は
夏の全国高校野球、長崎の海星高校のエース、柴田蓮人投手。夏の甲子園で17年ぶりにチームを勝利に導いたピッチングはつい最近、身につけたものでした。

「打てそうで打てない」投手

12日の聖光学院との初戦に先発した柴田投手。ボールを微妙に動かして打たせてとるピッチングで強打の聖光学院を2点に抑え、完投勝利をあげました。

その柴田投手について聖光学院の斎藤監督は「打てそうで打てないピッチャー。動くボールでより強くバットが振れず、打線が線にならなかった」と称賛しました。

地方大会で一気に

しかし、柴田投手がこのピッチングを身につけたのは、実は、先月の地方大会の途中からでした。

柴田投手の速球は最速133キロ。低めにコントロールして打たせて取るピッチングが持ち味でした。しかし、1か月ほど前の7月15日の地方大会の初戦で2本のホームランを打たれて危機感を覚えます。

「打たれたのは2本とも素直なまっすぐだった。これからどんどん相手も強くなるのでこのままではいけない」

大会中にピッチング見直し

そこで、大会中にもかかわらずピッチングを見直しました。それは、微妙に横に動く速球を投げること。ボールを握るときに人さし指と中指の間隔を狭めたり、左右にわずかにずらして握ったりすることでボールが左右に動く速球になるということです。

地方大会2回戦が終わったあとから早速、試行錯誤を始めた柴田選手。決勝では1失点で初めて完投でき、自信がついたといいます。

「序盤をしっかり抑えて流れをつかむことができた」(柴田投手)。

動く速球で相手打線を翻弄

それでも12日の甲子園では強打の聖光学院との初戦。海星の加藤監督は先発の柴田投手について「相手打線が一巡するまでもてばよい」と思っていました。

しかし、柴田投手はここでも新たに身につけた動く速球で聖光打線を翻弄。リードを広げた直後の6回、1アウト一塁の場面でもスライダー気味に変化させた速球でダブルプレーに打ち取り、相手に流れを渡しませんでした。

柴田投手「次も完投目指す」

さらにホームランを打たれて1点差に迫られた9回。マウンドにチームメートが集まり「9回でも1回でも意識することは変わらない」と声をかけられました。

これで気持ちを切り替えた柴田投手。ここも磨いた動く速球を中心に打たせて取りました。完投で海星を夏の甲子園、17年ぶりの勝利に導きました。

柴田投手は「野手を信頼して、次の試合も持ち味の動くボールで内野ゴロを打たせて完投を目指したい」と話していました。