来年の高校総体 一部競技で開催ピンチ 五輪影響で費用不足

来年の高校総体 一部競技で開催ピンチ 五輪影響で費用不足
高校生のスポーツ日本一を決める夏の全国高校総体。来年は、東京オリンピック・パラリンピックと開催時期が重なるため、会場を分散して開く予定ですが、費用が6億円余り不足し、一部競技の開催が危ぶまれていることが関係者への取材でわかりました。
全国から3万人を超える選手などが参加し、高校スポーツの頂点を目指す全国高校総体は、来年、群馬県など北関東の4県を中心に行われる予定でしたが、東京オリンピックと開催時期や地域が重なって、宿泊施設などの確保が難しくなり、30競技を21の府県に分散して開催することになりました。

しかし、開催にあたって6億円余りの費用が不足し、一部の競技の開催が危ぶまれていることが関係者への取材でわかりました。

高校総体は通常、開催する自治体が費用のおよそ8割を負担していますが、関係者によりますと、来年は急きょ分散開催となったため、費用の積み立てができず、多くの自治体で費用の負担が困難になっているということです。

高体連は、すでに開催期間を短くしたり全国から集めていた審判を開催地の近くから集めたりして経費を削減していますが、不足分はクラウドファンディングで資金を集めることなどで賄い、大会を予定どおり実施したいとしています。

高体連の西塚春義事務局長は「オリンピックは国家的な事業で喜ばしいが、それによって高校生の夢の舞台を中止するわけにはいかない。皆さんに募金を協力をお願いしたい」と話していました。

「来年が高校最後の大会 環境整備を」

ことしの高校総体は先月24日から今月20日までの期間で鹿児島県を中心とした南九州で開催されています。このうち、日本のお家芸とも言われる柔道は鹿児島市で大会が行われました。柔道は、来年の高校総体では分散開催のため兵庫県で行われる予定ですが、関係者によりますと、まだ大会にかかる費用の半分ほどしか集まっていないということです。

今大会に団体戦の補欠として参加した神戸国際大学付属高校の2年生は「小さいころからインターハイを目指して来たので特別な大会です。自分にとっては来年が高校最後の大会になるので環境を整備してもらいたいたいです」と話していました。

毎年3万人以上の選手・関係者が参加

高校総体は昭和38年から始まり、毎年全国6000校から3万人以上の選手や関係者が参加し、毎年60万人を超す観客が集まる大規模な大会です。

高体連によりますと、夏の高校総体は競技会場の借用料や審判の交通費、それに警備の委託費などで一回あたり12億円から15億円ほどの費用がかかるということです。

こうした費用のうち、およそ8割は競技が開催される自治体が負担していて、自治体は開催が決まる数年前から計画的に予算を積み立てています。

これまで大会には、ボクシングの金メダリストで世界ミドル級のチャンピオンの村田諒太選手や、バスケットボールの世界最高峰のリーグ、NBAのドラフト会議で指名を受けた八村塁選手など、現在、世界で活躍するアスリートたちも出場しています。