インドがカシミール地方の自治権撤廃 パキスタン側でも抗議

インドがカシミール地方の自治権撤廃 パキスタン側でも抗議
インドがパキスタンと領有権を争うカシミール地方の州の自治権を撤廃したことを受けて、パキスタンが実効支配する地域でも抗議活動が行われ、インド政府に対して自治権の撤廃を直ちに取り消すよう訴えました。
インド政府は今月6日、パキスタンと領有権を争うカシミール地方で、インドが実効支配するジャム・カシミール州の自治権を撤廃しました。

この州はヒンドゥー教徒が主体のインドでは唯一、住民の大半をイスラム教徒が占めていて、憲法によって議会に強い権限が認められるなど、1949年以来、特別な自治権が保障されていました。

自治権が撤廃されたことを受けて、パキスタン国内で反発が広がる中、パキスタン側が実効支配するカシミール地方のムザファラバードでも10日、市民などおよそ300人が参加して抗議デモが行われました。

参加者たちは横断幕やプラカードを手に「カシミールの人たちの人権を守れ」などとシュプレヒコールを繰り返して、インド政府に自治権の撤廃を直ちに取り消すよう訴えていました。

デモに参加した男性は「人々は自由を失い、苦しい生活を送っている。失った自由を取り戻すために抗議を続ける」と話していました。

パキスタンでは今月14日の独立記念日に合わせて、各地で大規模な抗議デモや集会が呼びかけられていて、国民の反発が一層高まることも予想されます。

中国とパキスタン 外相会談

中国の王毅外相は9日、急きょ中国を訪れた、パキスタンのクレシ外相と会談し、カシミール情勢について意見を交わしました。

中国外務省によりますと、会談でクレシ外相は、インドがパキスタンと領有権を争うカシミール地方の州に認めてきた自治権を撤廃したことなど、最近のカシミール情勢をめぐるパキスタンの立場を説明しました。

そのうえで「中国はパキスタンが長年信頼している友人だ。カシミール問題をめぐっても、中国が正義を主張すると信じている」と述べました。

これに対し、王外相はカシミール情勢の緊迫化に重大な懸念を表明し「情勢を複雑にするような一方的な行動をとるべきではない」と指摘しました。

そして「中国はパキスタンがみずからの正当な権益を守ることを断固として支持し、パキスタンのために、正義を主張する」と述べたということです。

中国はパキスタンと緊密な外交関係を築いている一方で、インドとは領土問題を抱えており、王外相としては、カシミール情勢をめぐってインドをけん制した形です。