五輪内定1号の寺内 一度は競技諦めた“レジェンド”

五輪内定1号の寺内 一度は競技諦めた“レジェンド”
飛び込みの男子シンクロ板飛び込みで東京オリンピックの代表に内定した38歳の寺内健選手。東京大会は、自身6回目のオリンピックとなります。6大会連続ではなく6回目。一度は競技を諦めたベテランはひとまわり年が離れた坂井丞選手とのペアで息詰まる接戦を制し大舞台への切符を再びつかみとりました。
13日に行われた水泳世界選手権の男子シンクロ板飛び込み決勝。6回行う演技のうち寺内選手と坂井選手のペアは5回目を終えた時点の得点が314.10で8位。9位のアメリカのペアとの差は、3.54で、内定条件となる8位以内に入るためには絶対に失敗が許されない状況で最後の6回目を迎えました。

場内が静寂に包まれる中、2人は集中力を高めました。飛び込み板を使って大きくはね、3回転半。息のあった演技で、入水までしっかりまとめ75.33をマークしました。合計得点は389.43。この時点で1組を残して8位以内が確定し、東京オリンピックの代表に内定。2人に笑顔がこぼれました。

最終順位は7位。9位のコロンビアのペアとの差は、8点余りでした。

息詰まる接戦を制し、夏のオリンピックでは日本選手史上最多に並ぶ6回目の切符をつかんだ寺内選手。試合後のインタビューで「苦しかったが粘り強く戦えた」と振り返りました。

今では“レジェンド”とも呼ばれる存在ですが、その道のりは平たんではありませんでした。4回目のオリンピック出場となった2008年の北京オリンピック。寺内選手は集大成として臨みましたが結果は11位。オリンピックでメダルを獲得できないまま現役を退いたのです。

しかし、すぐに競技への思いが再燃します。スポーツメーカーに就職しサラリーマンをしていましたが「世界でもう1度戦いたいという思いが強くなった」と1年半で現役復帰を決意しました。

再び日本の飛び込みを引っ張る存在となった寺内選手。オリンピックについては「苦しかったり、つらかったり、目の前にくる恐怖の印象が強く、オリンピックを楽しいと思ったことはない」と話します。それでも挑戦を続けているのは「そこで結果を出すことにすべてをかけている人たちの戦いであり、そこでまだ勝てていない自分がいる」という悔しさがあるからです。

「飛び込み界の悲願、第1号のメダルに向けてもっともっと強くならないといけない」

東京オリンピックまでおよそ1年。来年40歳になるベテランは、飛び込みで日本選手初のメダルという大きな目標を掲げさらなる努力を誓いました。