サンマ 資源量が大幅に減少 漁獲量の規制を提案の方針

サンマ 資源量が大幅に減少 漁獲量の規制を提案の方針
k10011992721_201907140511_201907140511.mp4
不漁が続いているサンマについて、資源量が大幅に減少し、将来にわたって持続可能とされる最適な水準を下回っていることが分かりました。日本は今月16日から開かれる国際会議で、サンマの漁獲量の規制を提案する方針です。
サンマなどの資源管理を協議する国際的な委員会は、北太平洋のサンマの資源量を初めて科学的に推計した報告書をまとめました。

それによりますと、北太平洋のサンマ資源量は、2000年代の初めには400万トンでしたが、その後、減少が続き、おととしには130万トンと3分の1に減ったとしています。
さらに、去年までの3年間の平均でみると、将来にわたって持続可能にするため最適とされる資源量を2割程度下回っていることが分かりました。

報告書では、今のペースで取り続けると、資源量の十分な回復が見込めなくなるおそれがあると指摘しています。

これを受けて、水産庁は今月16日から東京で開かれる国際会議で、北太平洋でのサンマの漁獲量の規制を提案する方針です。

北太平洋では中国や台湾がサンマの漁獲を増やしていて、日本としては新たに規制を設けることで、サンマの資源量を最適な水準まで回復させたい考えです。ただ、会議は全会一致が原則で、これまで規制の導入に反対してきた中国などの動向が焦点となります。

国内のサンマ不漁続く

国内のサンマの漁獲量は20万トンから30万トンほどで推移してきましたが、2015年からは10万トン前後と不漁が続いています。特におととしは8万4000トンと、平成以降では最も少なくなりました。

「北太平洋漁業委員会」が管理する北太平洋でサンマを漁獲している国と地域による漁獲量は、過去10年はおおむね年間40万トン程度で推移していますが、日本が占める割合は年々、減少しています。

代わって増えているのが、所得の上昇などに伴って魚の消費が増えている中国や台湾で、最近では台湾の漁獲量が日本を上回っています。

一方、サンマの小売り価格をみると、東京23区のスーパーなどでの調査では、2015年は平均で100グラム当たり80円でしたが、その後上がり続け、去年は104円と、漁獲量の減少に伴って価格が上昇する傾向にあります。

漁獲量のデータ基に規制提案へ

「北太平洋漁業委員会」は、北太平洋の公海のサンマやサバなどを対象に資源管理を行う国際機関で、2015年に設立されました。日本のほか、中国、韓国、台湾、ロシア、アメリカ、カナダ、それにバヌアツの8つの国と地域が参加して、毎年、会議を開いています。

サンマの漁獲規制が本格的に議論されたのはおととしの会議からで、今回は3回目の議論です。
日本はこれまでに国や地域ごとに漁獲できる上限である「漁獲枠」を設けることを提案してきましたが、中国などが「サンマの資源量を示す科学的な根拠がない」などと反対してきました。

そこで、今回、日本は委員会が初めてまとめたサンマの資源量のデータを基に漁獲量の規制の必要を訴え、これまでなかった規制を設けたい考えです。

会議での合意は全会一致が原則で、サンマの資源量について報告書がまとまったことで、これまで規制の導入に反対してきた中国などが賛成するかが焦点となります。

「漁獲量にブレーキかける仕組み作りが急務」

水産資源の管理に詳しい東京海洋大学の勝川俊雄准教授は「今のうちに、漁獲量にブレーキをかける国際的な仕組みを作っておくことが急務だ」と指摘しています。

そのうえで、日本が議長国としてサンマの漁獲量について規制を設けることを提案することについて、勝川准教授は「まずは、全体の漁獲量を抑えることで合意することが大事で、各国の枠を決めないのであれば賛成になりやすいだろう」と述べました。