東京五輪の内定1号は飛び込みの寺内と坂井のペア

東京五輪の内定1号は飛び込みの寺内と坂井のペア
水泳の世界選手権、飛び込みの男子シンクロ板飛び込み決勝で、日本の寺内健選手と坂井丞選手のペアが7位に入り、東京オリンピックの代表に内定しました。東京オリンピックの日本代表に内定した選手は、すべての競技を通じて寺内選手と坂井選手が初めてです。
水泳の世界選手権は12日から韓国のクワンジュ(光州)で始まりました。飛び込みのシンクロ種目で日本は来年の東京オリンピックの開催国として出場枠があり、日本水泳連盟は8位以内に入ったペアを代表に内定することにしていました。

寺内選手と坂井選手のペアは、13日午前に行われた男子シンクロ板飛び込みの予選を2位で通過し、12組で争う13日夜の決勝に臨みました。
2人は1回目と2回目は危なげない演技を見せ、3位につけましたが、3回目で寺内選手の入水が乱れるなどして67.50と得点を伸ばせず、8位に後退しました。
その後も得点を伸ばせず8位のまま迎えた最後の6回目で、2人は3回転半する技で息のあった演技を見せて75.33をマークし、合計得点389.43で7位に入りました。

この結果、寺内選手と坂井選手のペアは、来年の東京オリンピックの代表に内定しました。東京オリンピックの日本代表に内定した選手は、すべての競技を通じて寺内選手と坂井選手が初めてです。

優勝は中国のペアで439.74。2位はイギリスのペアで415.02。3位はメキシコのペアで413.94でした。

寺内「粘り強く戦えた」 坂井「やっとスタートラインに」

寺内選手は「固い演技になってしまって点数が伸びない状況で坂井選手が引っ張ってくれた。苦しかったが、その中で粘り強く戦えた結果だと思う」とホッとした様子で振り返りました。
夏のオリンピックでは最多に並ぶ自身6大会目の切符を手にしたことについては「気付けば6回目という思いもあるし、一方で初めてのシンクロ種目での出場だったり、自国開催だったりと今までと違うところがある。今までの中でいちばんの結果を求めながらこの1年を過ごしたい」と話しました。

坂井選手は「3回目からずっと8位にいて、下とも上とも離れていない状況で、確実に決めないといけないと思ったことが緊張につながり、つらかった」と決勝を振り返りました。
寺内健選手とともに東京オリンピックの代表に内定したことについては「率直にうれしいし、やっとスタートラインに立てた。これから1年かけてどう戦っていくか話し合う時間もあるし、この大会で決められたのは大きい。全競技通じての第1号も、健くんの最多出場もかかっていた中で、飛び込みという競技を知ってもらういいきっかけになったと思う」と充実した表情で話しました。

寺内・坂井は日本を引っ張るペア

寺内選手と坂井選手は2015年からペアを組み、シンクロ板飛び込みでは、日本選手権で去年4連覇を果たすなど日本を引っ張るペアです。

技の難しさを基にあらかじめ決められる「難易率」が高い演技に挑戦する流れが世界的に広まっている中、2人は無理に難しい技をするのではなく、1回1回の演技の同調性や完成度を上げて確実に得点を重ねる方針で強化を続けてきました。

前回2016年のリオデジャネイロオリンピックは出場権を獲得できませんでしたが、去年のジャカルタアジア大会では、息の合った演技を見せて銅メダルを獲得するなど、着実に世界との差を詰めてきました。

世界選手権は2015年の大会で決勝に進んで11位でしたが、2017年の前回大会は寺内選手のけがの影響などで出場せず、2回目となった今回の世界選手権で7位に入り、東京オリンピックの代表に内定しました。

寺内 日本選手最多6大会出場へ

寺内健選手は兵庫県出身の38歳。小学5年生の時に競泳から飛び込みに転向し、中学2年生の時には、日本選手権の高飛び込みで当時、最年少優勝を果たすなど早くから頭角を現しました。
オリンピックの初出場は1996年のアトランタ大会です。

2001年の世界選手権では板飛び込みで3位に入って、日本勢で初めてのメダルを獲得するなど、長年、日本の飛び込みを引っ張ってきました。4大会連続のオリンピック出場となった北京大会の後の2009年にいったん引退を表明しましたが、その後、現役に復帰し、前回のリオデジャネイロ大会にも出場しました。

今回初めてシンクロ板飛び込みでオリンピックの代表に内定し、東京大会に出場すれば夏のオリンピックは6大会出場となって、馬術の杉谷泰造氏に並んで日本選手最多となります。

坂井 体力面強化で2度目の五輪へ

坂井丞選手は神奈川県出身の26歳。飛び込みの選手だった両親の影響で幼少時から競技を始めました。水しぶきの少ない入水が持ち味で、板飛び込みとシンクロ板飛び込みの2種目で日本選手権を4連覇しています。

初めてのオリンピックとなった2016年のリオデジャネイロ大会は予選を通過できず、おととしから週1回、自宅のある神奈川県から山梨県のトレーナーのところに通って体力面を強化してきました。大会中の連戦や海外への移動で疲れをためないよう、苦手だったランニングに取り組んだほか、ジャンプの高さを出すため体重を増やすなどして演技に磨きをかけています。

世界選手権は2009年から6回連続の出場で、2013年に8位に入賞した板飛び込みでも東京オリンピック代表内定を目指しています。

シンクロ板飛び込みとは

シンクロ板飛び込みは、水面から3メートルの高さに設置された弾力性のある板から2人が同時に飛び込み、同調性と演技の出来栄えを競います。

技の難しさを基にあらかじめ決められている難易率に審判の得点をかけたものが1回の演技の得点となり、男子は6回、女子は5回の演技を行って、すべての演技の合計点で争います。
採点は2人の同調性が重視されるほか、それぞれの空中姿勢の美しさや入水したときの水しぶきの少なさなどが評価されます。

オリンピックでは、高さ10メートルの台を使うシンクロ高飛び込みとともに、2000年のシドニー大会から正式種目に採用されましたが、これまで日本の選手の出場はありません。

水泳東京オリンピック内定の条件

日本水泳連盟は、今回の世界選手権であらかじめ定められた条件を満たした選手を来年の東京オリンピック代表に内定することにしています。

飛び込みは個人種目で12位以内、シンクロ種目で8位以内が条件です。また、競泳では個人種目で金メダルを獲得した選手。オープンウオータースイミングでは、10位以内に入れば代表に内定します。

東京オリンピックに向けてメダル獲得の可能性がある選手をいち早く代表に内定することで、長期的な視野に立って強化を進めるねらいがあります。

このうち競泳は、2012年のロンドンオリンピック前年の世界選手権から、金メダルを獲得した選手を代表に内定してきました。
リオデジャネイロ大会前年の2015年の世界選手権では、男子400メートル個人メドレーの瀬戸大也選手と女子200メートルバタフライの星奈津美選手、女子200メートル平泳ぎの渡部香生子選手の3人が金メダルを獲得して代表に内定し、このうち瀬戸選手と星選手が本番でそれぞれ銅メダルを獲得しました。