ハンセン病家族訴訟 終結へ 訴え退けられた原告20人も控訴せず

ハンセン病家族訴訟 終結へ 訴え退けられた原告20人も控訴せず
ハンセン病の元患者の家族が起こした集団訴訟で、原告団が会見し、国が新たな補償措置を講じる方針を示したことを受けて、訴えが認められなかった20人の原告についても控訴しないことを明らかにしました。国も控訴せず裁判が終結することになりました。
先月28日の熊本地方裁判所の判決では、訴えを起こした元患者の家族561人のうち541人については、国の誤った隔離政策によって深刻な被害を受けたなどとして国に賠償を命じた一方、20人については国による被害があったとは認められないとして訴えを退けました。

集団訴訟の原告団は12日、都内で会見を開き、訴えが認められなかった20人についても控訴しないことを明らかにしました。

これは12日発表された安倍総理大臣の談話の中で、裁判に参加していない人も含めて家族を対象とした新たな補償措置を講じる方針が示されたためだとしています。

集団訴訟では国も控訴せず、裁判が終結することになりました。

原告の弁護団の徳田靖之共同代表は「裁判への参加、不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償を設けるという決断に敬意を表し、補償制度の枠組みの検討を早急に開始したいという思いから控訴をしないことを決めた」と話しています。

原告団「裁判不参加の人含め一律補償を」

原告団は12日午後、都内で会見し、国が示した新たな補償措置について、裁判に参加した人も参加していない人も、一律の金額で補償するよう求めました。

また、ハンセン病の患者の隔離政策を進めた「らい予防法」が平成8年に廃止された後も偏見が残り、これまでの国の啓発活動には限界があると指摘しました。

そのうえで、国と原告が新たな補償措置や啓発活動について協議する場を設けるよう求めました。

原告の弁護団の徳田共同代表は「ハンセン病に対する差別や偏見が残る社会構造を打ち壊し、家族の方々が地域で安心して暮らすことができるよう活動を続けていきたい」と話しています。

両親が熊本県の療養所に入所していた鹿児島県奄美市の奥晴海さん(72)は「母が亡くなるまで母の体に触れることもできなかった。病気に対する差別や偏見は、自分の中にしまっておくしかないと思っていたが、立ち上がらなければ悔いが残ると思い、裁判を起こして本当によかった。人生を取り戻せるわけではないが、心の中を整理して生きていきたい」と話していました。