英政府がイランを非難「タンカーの進路妨害 国際法違反行為」

英政府がイランを非難「タンカーの進路妨害 国際法違反行為」
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イギリス国防省は、中東のホルムズ海峡でイランの3隻の船がイギリスのタンカーの進路を妨害し、イギリス軍の艦艇が警告を発したところ立ち去ったと公式に発表し「国際法に反した行為だ」と非難しました。
CNNテレビなどアメリカのメディアは、政府当局者の話として中東のホルムズ海峡を10日、イギリスのタンカーが航行中イランの精鋭部隊「革命防衛隊」の複数の小型船が近づき、タンカーに対し航路を変えてイランの領海付近に停泊するよう要求し、拿捕(だほ)しようとしたと伝えました。

これについてイギリス国防省は11日、声明を発表し「ホルムズ海峡でイギリスのタンカーの進路をイランの3隻の船が妨害した。イギリス海軍の艦艇がタンカーとイラン側の船のあいだに入ってことばで警告を発したところ立ち去った」としています。

声明はこうした行為について「国際法に反している」と非難するとともに「イランに対し地域の緊張を高める事態を招かないよう強く要求する」としています。

一方、イランのザリーフ外相は11日、地元メディアの取材に対し「イギリスのこうした主張が地域の緊張を高めており、価値のない発表だ」と述べ、イランが関与したのかどうかについて明言を避けました。

またイラン政府系の通信社「ファルス通信」によりますと、革命防衛隊は「この24時間の間にイギリスを含む外国の船舶との接触はない」として関与を否定しました。

イラン側はイランのタンカーが今月4日、イギリス領ジブラルタルの当局に拿捕されたことに強く反発し「革命防衛隊」の幹部は報復を示唆しており、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡周辺の緊張がさらに高まることが懸念されています。

イラン外相 明言避ける

この問題でイランのザリーフ外相は地元メディアの取材に対して「確かなのはイギリスのタンカーがホルムズ海峡を通過したことだ」と述べたうえで、「こうした主張が地域で緊張を高めており、価値のない発表だ」と述べ、明言を避けました。

一方政府系の通信社「ファルス通信」によりますと、革命防衛隊は「この24時間の間に、イギリスを含む外国船籍との接触はない」として、イギリス側の主張を否定しました。

米軍「同盟国も海峡の安定に関与を」

中東地域を管轄するアメリカ中央軍の報道官は10日夜、声明を発表し「報道については承知している」としつつ、「情報に関してはイギリス側に照会することを求める」と述べ確認を避けました。

その一方で声明は「航行の自由に対する脅威は国際的な解決策を必要とする。世界経済は貿易の自由な流れに依存しており、世界の繁栄の根幹を守り、維持することはすべての国の義務だ」として、アメリカだけでなく同盟国などもホルムズ海峡の安定に関与すべきだと強調しました。

アメリカ軍はホルムズ海峡の安全を確保するためとして、同盟国などと有志連合を結成することを検討しており、声明を通じて有志連合の必要性を強調するねらいがあるとみられます。

自衛隊統合幕僚長「情勢を注視」

アメリカがホルムズ海峡の安全を確保するため、同盟国などと有志連合の結成を検討していることに関連して、自衛隊トップの山崎幸二統合幕僚長は、11日の定例記者会見で「ホルムズ海峡については、わが国のエネルギーの安全保障上極めて重要な地域であり、関係国としっかりと情報交換しつつ、情勢を注視していきたい」と述べました。

そのうえで自衛隊の派遣についてアメリカ側から打診があったかどうかについては「情勢について日米間でさまざまなやり取りをしているのは事実だが、個別のやり取りについては差し控える」と述べるにとどまりました。

立民福山幹事長「政府は明確に説明を」

立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「まずは政府にアメリカから具体的な要請があったのかなかったのかを認めていただき、専守防衛の枠組みの中でできることなのか、できないことなのかを明確に説明してもらいたい。軍事的対応ということになれば、当然、今の法制下では不可能だと考えているが、要請の内容がつまびらかではないので、何とも申し上げようがない」と述べました。