はやぶさ2 着陸に成功 「この喜び皆さんと」

はやぶさ2 着陸に成功 「この喜び皆さんと」
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小惑星内部の岩石を採取する世界初のミッションのため、2度目の着陸に挑戦していた探査機「はやぶさ2」について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は「リュウグウ」への着陸に成功したと発表しました。記者会見した「はやぶさ2」の津田雄一プロジェクトマネージャは「わたしたちは太陽系の歴史のかけらを手に入れることができました。この成功を皆さんと分かち合いたい」と成功の喜びを語りました。
10日高度2万メートルから降下を開始した探査機「はやぶさ2」は11日午前10時前に高度30メートル付近に到達し、事前に地表に落としておいたボール状の目印をカメラでとらえながら、姿勢や位置を制御する着陸の最終段階に入りました。

そして自動制御によって降下を行い、JAXAは「はやぶさ2」が11日午前10時6分にリュウグウへの着陸に成功したと発表しました。

神奈川県相模原市にあるJAXA宇宙科学研究所の管制室では、データが示されているモニターを見ていた多くの関係者から大きな歓声があがると同時に拍手も起きました。

そしてカメラに向かって笑顔でポーズをとる様子が見られました。

「はやぶさ2」の着陸は、探査機の下に伸びる筒状の装置の先端を地表につけることで行われ、着陸の瞬間に弾丸を発射し砕けて舞い上がる岩石を採取します。

着陸後の解析で、この弾丸も無事発射されていたことがわかり、JAXAは目的としていた小惑星内部の岩石を採取できたとみられる、としています。

「はやぶさ2」の津田雄一プロジェクトマネージャは11日午後開かれた記者会見で「わたしたちは太陽系の歴史のかけらを手に入れることができました。人類は月より遠いところで、地下物質をとったことはありません。この成功を皆さんと分かち合いたい」と成功の喜びを語りました。

「はやぶさ2」はことし2月の最初の着陸で、小惑星表面にある岩石の採取に成功したとみられていますが、今回の着陸ではことし4月に作った人工クレーターから飛び散った小惑星内部の岩石を採取する世界初のミッションに挑戦していました。

「はやぶさ2」はことし11月か12月ごろに小惑星を離れ、来年の終わりごろに地球に帰還する予定です。

「100点満点で1000点 パーフェクト」

「はやぶさ2」の2度目の着陸成功を受けてJAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは記者会見で「点数を付けるなら100点満点で1000点でパーフェクトだった。探査機『はやぶさ2』は私たちの仲間の一員だと感じている。お疲れさまを言うまもなく、今もデータを送れなどいろいろな指示を送っているが、けなげに言うことを聞いてくれていてありがとうと言いたい。また小惑星の『リュウグウ』ははじめは、厳しい環境で私たちに牙をむいているように感じていたが、今となってはよく岩石を私たちに手渡してくれた」と感慨深げに話していました。

また今回の調査を研究面で支える名古屋大学の渡邊誠一郎教授は記者会見で「小惑星の表面と地下の岩石を合わせて持ち帰る探査は他の国も含めて今後20年はないだろう。深さによって岩石の質がどう変わるのかそれとも変わらないのか調べるのは小惑星を理解するうえでとても大事で、比較できる形でサンプルが取れたことは大きな成果だ」と科学的な意義を強調しました。

カメラのトラブル乗り越える

「はやぶさ2」は、ことし2月、小惑星「リュウグウ」へ最初に着陸した時に、地表からさまざまな大きさの岩石が舞い上がり、機体の下に取り付けてある光学カメラに付着したとみられています。

探査機の“目”となるカメラ。着陸の最終局面では地表に投下した直径10センチのボール状の目印をカメラで捉え、機体を着陸地点に誘導するときに不可欠です。

岩石の付着により、この大事なカメラの受光量が約半分になり、性能が低下。1回目の着陸以降、「はやぶさ2」はいわば“目がくもった”状態になってしまったのです。

そこでプロジェクトチームはカメラの性能低下を補うため、目印をとらえる高度を1回目の45メートルよりも15メートル低い、高度30メートルに設定しました。小惑星により近づくことで、目印を見つけやすくする工夫です。

しかし、リスクもありました。接近しすぎるとカメラの視野が狭くなり、目印を発見できなくなるおそれもあったのです。チームは、事前に何度もシミュレーションを繰り返すなど訓練を積み重ねました。

そして機体を高い精度で運用することに成功。「はやぶさ2」は見事、直径10センチの目印をとらえて着陸を成功させたのです。

市民「帰還も気を引き締めて」

「はやぶさ2」が2度目の着陸に成功したことについて、神奈川県相模原市のJAXA宇宙科学研究所に設けられた記者会見場では、訪れた一般の人たちからも祝福の声があがっていました。

このうち「はやぶさ」初号機のころから見守ってきたという神奈川県の会社員の男性は「世界初の偉業が実現され感無量です。ただ、はやぶさ初号機は数々のトラブルに見舞われたのでこれから地球に帰還する際に深刻なトラブルが起きないよう今後も気を引き締めて運用にあたってほしいです」と話していました。

また大阪から会社を休んで駆けつけたという女性は「JAXAのプロジェクトチームの皆さんがうれしそうに報告する姿に感動しました。すごいミッションを間近で見ることができて幸せです」と話していました。