韓国企業 長期的支援を大統領に要請 日本の輸出規制で

韓国企業 長期的支援を大統領に要請 日本の輸出規制で
日本政府が韓国への輸出規制を厳しくした措置を受け、ムン・ジェイン(文在寅)大統領と韓国国内の大企業は今後の対応を協議し、企業側は長期的な支援を求めました。
韓国のムン大統領は10日、大統領府で国内の企業グループ30社の幹部や経済団体と会談し、冒頭、「日本の不当な措置の撤回と対応策の準備に強い覚悟で臨んでいる」と述べ、政府としてこの問題に強い姿勢で臨むことを強調しました。

韓国大統領府によりますと、非公開の会談は2時間にわたって行われ、企業側はムン大統領の発言を受けて「日本の措置が両国のためにならないということを民間レベルでも日本側に説得していく」と応えたということです。

そのうえで企業側は、ムン大統領が日本の輸出規制が厳しくされた品目などの国産化を目指し予算や税制面で支援を行う、と述べたことを踏まえ、息の長い支援を政府に求めたということです。

また、特定の国だけに輸入を依存するのではなく多角化することが重要だとして、今後、化学分野に強みを持つドイツやロシアとの協力を強化する必要性を訴えたということです。

韓国政府は企業の意見なども踏まえながら近く対応策を発表することにしています。

韓国政府はWTO=世界貿易機関への提訴も辞さない姿勢を示していて、国内企業の意見も踏まえ、今後、提訴に向けた手続きに踏み切るかどうかが焦点の一つとなっています

GDPへの影響 日本より韓国が大きい

韓国のシンクタンク「韓国経済研究院」は、今回の日本政府による措置で半導体の原材料が不足した場合、韓国のGDP=国内総生産がどのくらい影響を受けるおそれがあるのかシミュレーションを行いその結果を明らかにしました。

それよりますと、対象品目の中でも日本への依存度が低い高純度のフッ化水素について、仮に日本からの輸出の手続きに時間がかかるなどして30%が不足する状況になった場合、GDPへの影響は日本が0.04%の減少にとどまる一方、韓国は減少幅が2.2%に上るとしています。

また仮に韓国が同じ半導体分野で報復措置に出た場合のGDPへの影響については、日本が1.8%の減少なのに対して韓国は3.1%の減少となり、韓国側の損失がより大きくなるとして報復措置の有効性に疑問を呈しています。

そのうえで、今回の問題が貿易紛争に拡大した場合、最大の恩恵を受けるのは中国で、日韓が主導してきた電気・電子産業で両国の生産が減少し、この分野で勢いのある中国が独占的地位につく可能性があると結論づけています。

韓国の専門家の間では、半導体の製造過程では、原材料の仕入れ先の変更は製品の質に影響するため容易ではないという指摘も出ていて、被害が拡大する前に外交ルートで解決すべきだという声も上がっています。
韓国のイ・ナギョン(李洛淵)首相は10日午後、国会の答弁で、日本が輸出規制を厳しくしたことへの対応策の一つとして、1200億ウォン以上、日本円にして110億円以上の補正予算案を提出するとして、野党に協力を求めました。

またイ・ナギョン首相は答弁で、輸入先の多角化や国産化について、新たな戦略をたてる必要があると訴えました。