「長時間労働軽減 怠った」新任教諭自殺で賠償命じる 福井地裁

「長時間労働軽減 怠った」新任教諭自殺で賠償命じる 福井地裁
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5年前に福井県若狭町の中学校の新任教諭が自殺したことをめぐり、遺族が、長時間労働が原因だとして学校側の責任を訴えた裁判で、福井地方裁判所は「校長は勤務時間の軽減などの義務を怠った」と指摘し、県と町におよそ6500万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
平成26年に若狭町の中学校で教諭として働き始めた嶋田友生さん(当時27)がその年の10月に自殺したことをめぐり、父親は、部活の指導で休日出勤が続くなど長時間労働が原因だとして県と町に賠償を求めました。

嶋田さんの1か月の時間外労働は最大で160時間を超え、自殺の原因になったとして「公務災害」にも認定されましたが、学校側は「時間外労働の多くは自主的なものだった」などとして争っていました。

判決で福井地方裁判所の武宮英子裁判長は「業務の内容は過重なもので、心身の健康状態を悪化させる可能性を校長は認識できた」と指摘しました。

そのうえで「校長は業務の時間や内容を把握したうえで勤務時間を軽減するなどの義務を怠った」として県と町におよそ6500万円の支払いを命じました。

父親「息子の正直な生き様 認められた」

判決後の記者会見で父親の嶋田富士男さん(59)は「正直に生きてきた息子の生き様が判決で全面的に認められてよかった。この判決で、教師を目指す皆さんが教師として最後まで仕事をまっとうできる環境が整ってほしい」と話していました。

原告側の端将一郎弁護士は「亡くなった理由を明らかにしたいという原告の思いに応える判決で、福井県と若狭町は判決を踏まえ誠意ある判断をしてほしい」と話していました。

福井県と若狭町 現段階でコメントせず

福井県は「判決理由を詳細に検討し、若狭町と相談したうえでコメントしたい」としています。

若狭町は「今の段階ではコメントは差し控えたい」としています。