威圧的態度の保護者への対応 児童相談所職員らが研修 千葉

威圧的態度の保護者への対応 児童相談所職員らが研修 千葉
虐待を受けている子どもの一時保護などをめぐって、威圧的な態度を取る保護者への対応力を強化しようと、千葉市で児童相談所の職員らを対象に具体的な場面を想定した研修が行われました。
ことし1月、千葉県野田市で小学4年生の栗原心愛さん(10)が両親から虐待を受けて死亡した事件では、県の児童相談所や市の教育委員会が、父親の威圧的な言動に屈する形で不適切な対応を繰り返していた問題が指摘されています。

このため千葉県は威圧的な保護者への対応力を強化しようと研修会を開き、県内の児童相談所や市町村で虐待などの対応にあたる職員およそ100人が参加しました。

研修では子どもへの虐待などに関する妻の相談をめぐり、威圧的な夫が面談に訪れたという想定で、夫役と相談員役に分かれてやり取りが行われました。

そして「夫婦の問題に首を突っ込むな。相談の記録を見せろ」と強い口調で迫る夫役に対して、相談員役は話を丁寧に聞きながら「相談の記録は了解がえられていないので見せられない」と冷静に対応していました。

講師は公務員には守秘義務があることを伝えたうえで、きぜんとした態度で繰り返し説明することが重要だとアドバイスしていました。

参加者は「威圧的な人には、できないことはできないと伝える。先輩や上司とも相談して対応していきたい」と話していました。

講師をつとめた臨床心理士の有馬和子さんは「子どもの命が背景にあるので、家庭から被害者も加害者も出さないようにするため、危機感を持って対応してほしい」と話していました。

威圧的保護者の対応 課題に

千葉県野田市で起きた虐待事件をめぐっては、父親が虐待やDV=ドメスティック・バイオレンスを繰り返していたとして、児童相談所や市の教育委員会に威圧的な態度をとっていたことが明らかになっていて、先月厚生労働省などの作業チームがまとめた検証結果でも「関係機関も含めて父親の支配的な関係に巻き込まれていた」と指摘されました。

傷害致死の罪などで起訴された父親は、野田市の教育委員会を訪れ父親からの暴力の被害を訴えた女の子のアンケートの回答を見せるよう強く求め、教育委員会はコピーを渡していました。

また、女の子の一時保護が解除されたあとの去年2月、父親は児童相談所に対して「お父さんにたたかれたのはうそです」などと女の子が書いたとされる文書を示したうえで「ひっかき回すようなことをする場合、児童相談所の職員個人を名誉毀損で訴えることも検討している」と述べたということです。

それを受けて児童相談所は女の子が自分の意思で書いたかどうか確認しないまま、女の子を親族の家から自宅に戻す決定をしていました。

事件を受けて千葉県は、ことし5月、再発防止に向けた緊急対策をまとめました。

虐待の対応にあたる児童相談所や市町村の職員の能力向上を図るため虐待事案の対応方法を学ぶ実践的なロールプレイングの中に新たに「威圧的な態度をとる保護者」を想定した研修を導入することにしました。

職員らが保護者にきぜんとした態度をとり、子どもの命を最優先にした対応をとれるようにするねらいがあります。

このほか国は、威圧的、暴力的な保護者に対応するため、児童相談所に警察OBの配置を進めたり、児童相談所と学校など関係機関との間で情報を共有するよう求めています。