「漫画村」の元運営者 フィリピンで拘束 日本に移送し逮捕へ

「漫画村」の元運営者 フィリピンで拘束 日本に移送し逮捕へ
人気漫画をインターネット上に無断で掲載していた海賊版サイト「漫画村」の元運営者が、滞在先のフィリピンで身柄を拘束されました。日本の警察が著作権法違反の疑いで逮捕状を取っていて、今後、日本に移送して逮捕する方針です。
9日フィリピンの入国管理局は、人気漫画をインターネット上に無断で掲載していた、海賊版サイト「漫画村」の元運営者の星野路実容疑者(27)をマニラの空港で拘束したと明らかにしました。

「漫画村」は人気漫画の単行本や漫画雑誌のほか、週刊誌や女性誌などをインターネット上に無断で公開していた海賊版サイトで、去年4月に閉鎖され、福岡県警などが被害を訴える大手出版社から告訴状の提出を受けて捜査を進めていました。

これまでの調べで、星野容疑者はサイトの運営に中心的に関わっていたとみられていますが、捜査関係者によりますと、警察が著作権法違反の疑いで逮捕状を取ったということです。

フィリピンの入国管理局が滞在中の行動について確認したうえで日本に移送される見通しで、警察は、日本に到着したあと逮捕する方針です。

フィリピンの入国管理局によりますと、日本大使館の要請を受けて星野容疑者の行方を捜していて、7日フィリピンから香港に出国しようとしていたマニラの空港で発見し、身柄を拘束したということです。

海賊版サイト「漫画村」 5万点以上を無断掲載

海賊版サイトの「漫画村」には、漫画や雑誌など5万点以上が作者や出版社に無断で掲載されていました。

こうしたコンテンツは誰でも無料で閲覧することができたため、おととし秋ごろから多くのアクセスを集め、コンテンツ海外流通促進機構の試算では被害額はおよそ3000億円と推計されていました。

去年2月には漫画家でつくる日本漫画家協会が「このままの状態が続くと、作品が作り続けられなくなり、日本の文化が滅びてしまう」と、海賊版サイトを利用しないよう読者に呼びかける異例の声明を発表したほか、政府も知的財産戦略本部などで海賊版サイト対策を検討するなど、大きな社会問題となっていました。

漫画村のサイト自体は去年4月中旬に突然、閉鎖されましたが、福岡県警察本部などが、被害を訴える複数の大手出版社から告訴状の提出を受けて、著作権法違反の疑いで捜査を進めていました。

福岡県警や大分県警が合同捜査本部を設置

「漫画村」をめぐっては、福岡県警察本部や大分県警察本部などが、去年、被害を訴える大手出版社から著作権法違反の疑いで告訴状の提出を受け、合同捜査本部を設置して捜査を進めています。

捜査は、サイバー犯罪を担当する専門部署を中心に行われ、「漫画村」が経由している海外の複数のサーバーや、サイトの運営に関わった人物を特定するための捜査を続けてきました。

警察は、今回身柄を拘束された星野元運営者がサイトの運営に中心的に関わっていたとみて捜査していますが、「漫画村」が海外の秘匿性の高い複数のサーバーを経由していたため、捜査は長期化しています。

警察は、今後、強制送還される見通しの星野元運営者から事情を聴くなどして捜査を進めることにしています。

元運営者「自分は運営者ではない」

滞在先のフィリピンの入国管理局に身柄を拘束された海賊版サイト「漫画村」の元運営者は去年、NHKの取材に対して漫画村のサイトのプログラム開発などを担うとする会社の関係者だと認めた一方で「自分は運営者ではない」と答えていました。

元運営者は去年4月、取材の中で漫画村のサイトのプログラム開発や広告の仲介を担っていたとする会社の関係者だと認めました。

その一方で「漫画村の運営者か」という質問に対しては「違います」と否定していました。

そして、管理者や運営者を知っているか聞くと「答えられない」と話していました。

講談社「全容解明を期待」

漫画村の元運営者がフィリピンで身柄を拘束されたことについて、講談社の広報室は「警察とは、一昨年から連携し捜査に協力してまいりました。すでに当該の違法サイトが閉鎖されたあとですが、『漫画村』の運営者とみられる者が身柄を拘束されたことで全容解明を期待しています。今後、当該の人物が著作権法違反等で立件されるとしたら、その大きな被害にかんがみて当然のことだと考えます。ただ依然として違法な海賊版サイトが存在すると伝えられていて、著作者の才能と権利を守り、コンテンツ創造のサイクルを破壊させないためにも、出版界として、さらには講談社として、引き続きさまざまな解決策を講じていきます」とコメントを出しました。