”輸出規制撤回せず” 事務レベルで説明の場設ける方針 経産相

”輸出規制撤回せず” 事務レベルで説明の場設ける方針 経産相
世耕経済産業大臣は、韓国に対する輸出規制を厳しくする措置について、「韓国側との協議の対象ではなく撤回する考えはない」と改めて強調したうえで、韓国側からの求めに応じて事務レベルで詳しく説明する場を設ける方針を明らかにしました。
世耕大臣は、9日の閣議のあとの記者会見で、半導体の原材料などの輸出規制を厳しくする措置に対し、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が日本に撤回と協議を求めたことについて、「今回の措置はあくまで安全保障のために、輸出管理の国内の運用を見直すものだ。協議の対象ではなく、撤回も考えていない」と述べ、WTOのルールにも沿ったもので撤回する考えはないことを改めて強調しました。

そのうえで、世耕大臣は「韓国の当局から事実確認を求められていて、事務レベルで対応していきたい」と述べ、経済産業省では、今週中にも事務レベルでの説明の場を設ける方向で、調整しています。

また、経済産業省では輸出管理の優遇措置の対象から韓国を除外する手続きに入っていて、除外が決まれば規制の対象を工作機械や炭素繊維などに広げざるをえないとしています。

これについて、世耕大臣は「今後の韓国側の対応次第で当然、対象品目が拡大する可能性はある。輸出管理がしっかり行われるのであれば、逆に少し緩くすることもあり得る」と述べ、韓国側の対応を慎重に見極めていく姿勢を示しました。

官房長官「輸出規制は協議対象外で撤回せず」

このことについて、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、今回の措置は国内の運用の見直しであり、協議の対象にはならず、撤回にも応じられないという考えを示しました。

政府が先週発表した、半導体の原材料などを韓国に輸出する際の規制を厳しくする措置をめぐって、韓国のムン・ジェイン大統領は8日、2国間の協議と措置の撤回を求める考えを示しました。

これについて菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「今回の措置は、輸出管理を適正に実施するうえで、必要な日本国内の運用の見直しであって、協議の対象ではなく、撤回は考えていない」と述べ、今回の措置は協議の対象にはならず、撤回にも応じられないという考えを示しました。

そのうえで「韓国の輸出管理当局からは、運用の見直しについての事実確認を求められており、事務レベルで対応するという報告を受けている。具体的な日程は調整中だ」と述べました。

日本の化学業界「粛々と手続き」

韓国への輸出規制を厳しくする措置をめぐって、対象となった半導体の原材料などを生産する化学メーカーの業界団体 日本化学工業協会の淡輪敏会長は9日の会見で、「政府の意思決定に粛々と従っていくというのが現段階の状況だ。対象品目を扱う企業はそれぞれ手続きを進めている」と述べ、各社が輸出の許可を得るため、審査に向けた準備を進めているという認識を示しました。

また対象の品目の1つ、高純度のフッ化水素を韓国に輸出している昭和電工の社長で、石油化学工業協会の森川宏平会長は、「法令順守の原則のもと、韓国の取引先に対してベストを尽くすことが重要で、どのような状況になってもそれは変わらない」と述べました。