6月の火山概況 8火山に「火口周辺警報」 気象庁

6月の火山概況 8火山に「火口周辺警報」 気象庁
気象庁は8日、全国の活火山のことし6月の活動状況や警戒すべき点について発表しました。噴火が発生したり、火山活動が高まったりしているとして、全国8つの火山に「火口周辺警報」が、1つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

火口周辺警報は8火山

今後の噴火で火口の周辺や居住地域の近くに影響が出るおそれがあるとして、「火口周辺警報」が発表されているのは、▽神奈川県の「箱根山」、
▽群馬県の草津白根山の「白根山」、
▽熊本県の「阿蘇山」、
▽鹿児島県の「桜島」「口永良部島」「諏訪之瀬島」、
▽小笠原諸島の「西之島」「硫黄島」、の合わせて8火山です。

噴火警戒レベル「3」 1火山

このうち、居住地の近くまで影響が出るおそれがあり、「入山規制」を示す噴火警戒レベル3は「桜島」に発表されています。

桜島では6月に「南岳山頂火口」で2回の爆発的な噴火を含む合わせて5回の噴火が発生しました。

6月11日の爆発的な噴火では、大きな噴石が火口から1000m余り先の5合目まで飛んだのが確認され、噴煙が火口から2200mの高さまで上がりました。

一方、「昭和火口」で噴火は観測されていません。

気象庁は、今後も南岳山頂火口を中心に噴火活動が継続すると考えられるとして、南岳山頂火口と昭和火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒を呼びかけています。

噴火警戒レベル「2」 5火山

火口周辺への立ち入りが規制される「噴火警戒レベル2」は「箱根山」「白根山」「阿蘇山」「口永良部島」「諏訪之瀬島」の5つの火山に発表されています。

<口永良部島>
2月3日以降、噴火は観測されていません。

新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする火山性地震も減少し、気象庁は6月12日、改めて火口周辺警報を発表し噴火警戒レベルを「2」に引き下げました。

一方、火山ガスの放出量は1日当たり100トンから300トンとやや多い状態が続いています。

気象庁は、小規模な噴火の可能性があるとして、火口からおおむね1キロの範囲で大きな噴石や火砕流に、火口の西側のおおむね2キロの範囲では火砕流に警戒するよう呼びかけています。

〈箱根山〉
5月に増加した火山性地震は、その後、減少したものの、少ない状態には戻っていません。

大涌谷周辺では活発な噴気活動が続いています。

気象庁は、火山活動は高まった状態だとして、大涌谷の想定火口域の中では大きな噴石に警戒し、自治体などの指示に従って危険な地域には立ち入らないよう呼びかけています。

<草津白根山の白根山>
湯釜付近の浅い部分で火山性地震が増減を繰り返しています。

湯釜の浅い部分への火山ガスや熱水の供給は続いているほか、6月30日には振幅の大きな低周波地震が発生しました。

気象庁は、火山活動が高まった状態が続いていて、引き続き小規模な水蒸気噴火が発生する可能性があるとして、湯釜火口からおおむね1キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

<阿蘇山>
6月1日以降、噴火は観測されていませんが、「中岳第一火口」の中にとどまる程度の火山灰の噴出が確認されています。

火山ガスの放出量もやや多く、火口内の地面の温度も高いなど火山活動が高まっていて、気象庁は中岳第一火口からおおむね1キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

<諏訪之瀬島>
御岳火口では6月2日に噴火が発生しました。

気象庁は、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火のおそれがあるとして、火口からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

火口周辺危険は2火山

噴火警戒レベルが導入されていないものの、「火口周辺警報」が発表されているのが、小笠原諸島の「硫黄島」です。

〈西之島〉
噴火が確認された去年7月ごろと比べ火山活動は明らかに低下しています。

噴火の可能性は低くなっているものの、火口付近では噴気が確認され、気象庁は、今後の火山活動の推移に注意が必要だとして、火口からおおむね500mの範囲では大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

〈硫黄島〉
去年9月に海底噴火が起きたと推定され、地盤の隆起を示す変動がみられるほか、島内は全体に地温が高くなっています。

気象庁は、火山活動はやや活発で火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして、警戒を呼びかけています。

「福徳岡ノ場」に「噴火警報」

小笠原諸島の近海にある海底火山の「福徳岡ノ場」では、周辺の海域に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして、「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

周辺では、火山活動によるとみられる海面の変色が確認されています。

気象庁は、小規模な海底噴火の発生が予想されるとして、周辺の海域で警戒を呼びかけています。

警報なし・レベル1も注意

全国の活火山の中には噴火警報が発表されておらず、噴火警戒レベルもレベル1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはなく、気象庁や自治体が発表する情報に注意が必要です。

<吾妻山>
福島と山形の県境にあり、大穴火口周辺の膨張を示す地殻変動が停滞して、火山性地震も観測されなくなったことから、気象庁は6月17日、火口周辺警報を解除し、噴火警戒レベルを「1」に引き下げました。

気象庁は、大穴火口や旧火口の周辺では火山ガスの噴出がみられることから、火山灰や熱水などが突発的に噴出する可能性があるとしていて、引き続き、自治体などの指示に従い、危険な場所には立ち入らないよう注意を呼びかけています。

最新の火山情報の確認を

各地の火山活動の状況や注意点は、気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。