米FRB 金利据え置きも「利下げ辞さず」に政策転換

米FRB 金利据え置きも「利下げ辞さず」に政策転換
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アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は19日まで開いた金融政策を決める会合で、政策金利を現状のまま据え置くことを決めました。一方、今後については「アメリカ経済の拡大を維持するため適切な行動をとる」として、金利を据え置いてきたこれまでの政策を転換し、米中の貿易摩擦の激化などで景気が減速する可能性が高まれば利下げも辞さないという姿勢を示しました。
FRBの声明によりますと、アメリカ経済は緩やかに拡大しているとして、政策金利を現状のまま2.25%から2.5%の範囲で据え置くことを賛成多数で決めました。

FRBは去年12月に利上げに踏み切ったあとは半年にわたって金利を据え置いて、経済指標を見極める姿勢を続けていました。

しかし今回の声明では、今後の金融政策について「アメリカ経済の拡大を維持するため適切な行動をとる」として、米中の貿易摩擦の激化などで景気が減速する可能性が高まれば、利下げも辞さないという姿勢に転換しました。

またFRBはことしの金融政策の見通しについて公表しました。

この中で、3月の時点では会合の参加者17人のうち利下げを見込む人はいませんでしたが、今回は半数近い8人が利下げの想定を示しました。

この背景には、米中両国が先月以降、輸入品に高い関税をかけ合って対立が一段と激しくなっていることがあり、声明では「景気の先行きに不確実性が高まっている」と指摘して警戒を強めています。

政策転換の背景は米中摩擦

FRBのパウエル議長は会合のあとの記者会見で、今後の金融政策で利下げも辞さない姿勢に転換したことについて「前回の金融政策を決める会合のあと、進展していると伝えられてきた中国との貿易交渉に全く逆の動きが出てきた。交渉は極めて不透明になり、経済指標にもその影響が現れ始めるかもしれない」と述べ、先月以降、米中の貿易摩擦が一段と激しくなったことが背景にあると説明しました。

FRB議長「任期を全うする」

トランプ大統領は利下げを求めて繰り返しFRBの金融政策を批判しています。

18日、記者団からパウエル議長を解任したいか問われたのに対し「彼がどうするか見てみよう」と述べて否定せず、金利の引き下げを迫って圧力をかけていると受け止められていました。

これについてパウエル議長は記者会見の中で「法律で定められたとおり任期の4年間を全うするつもりだ」と述べ、政府から独立して中央銀行の役割を果たしていく姿勢を強調しました。