女児いじめ 担任・学校・教委の無責任対応の果て 大けがと障害

女児いじめ 担任・学校・教委の無責任対応の果て 大けがと障害
大阪 吹田市の小学校で女子児童がほかの児童らからおよそ1年半にわたっていじめを受け、足を骨折するなどの深刻な被害にあっていたことがわかりました。調査した市の第三者委員会は、児童や保護者の訴えを学校や教育委員会が真剣に取り合わなかったとして、その対応を厳しく批判しています。第三者委員会が認定したいじめの内容や学校や教育委員会の対応は、どのようなものだったのでしょうか。

暴行...担任の放置...諦め...けがや障害に

女子児童が1年生だった平成27年の秋ごろにいじめは始まりました。

突然、5人の同級生らから家族の悪口を言われたりボールをぶつけられるようになり、その後、傘やほうきでたたく、蹴るなどの暴行やランドセルにカエルの死がいをつけられるなどの嫌がらせを受けました。

この小学校ではいじめの早期発見の取り組みとして学期ごとに「学校生活アンケート」を行っていました。

女子児童は2年生の1学期のアンケートに「けられた。なぐられた」などと記入し、同級生からのいじめを訴えていました。

しかし当時の担任はささいな意地悪と受け止め、女子児童から話を聞くこともないまま深刻ないじめではないと判断しました。

アンケートの内容をほかの教員と共有しませんでした。

それどころか、教室での女子児童の座席を加害児童の近くに配置することもありました。

第三者委員会はこうした担任の対応によっていじめは周囲に気付かれないままエスカレートし、女子児童の学校や教員に対する不信や諦めにつながったとしています。

女子児童はいじめによって足首を骨折するなどのけがを負い、心理的なストレスが原因の視力障害を発症しました。

いじめた側から「しゃべったらきょうだいをなぐる」などと口止めされていた女子児童は、弱視になるまで心身が追い込まれた段階になって、ようやく母親にいじめられていることを打ち明けました。

平成29年3月、女子児童の親は小学校にいじめを訴え、対策を求めましたが、当時の校長から謝罪はありませんでした。

数日後、女子児童は再びいじめを受けたことをきっかけに登校できなくなりました。

女子児童の親は同じころ、市の教育委員会に対しても「第三者を入れた調査」を行うよう要望しましたが、指導室の担当参事が「子どもたちの記憶が薄れていて実態解明は難しい」などの理由で「第三者委員会を立ち上げる必要はない」と答えました。

両親が第三者委員会設置を要望していることを教育委員会の上層部が認識したのは平成29年6月になってからで、それまでの2か月から3か月の間、教育委員会の内部で真剣に検討された形跡はありませんでした。

両親が語る 学校と教委の無責任対応ぶり

いじめの被害にあった女子児童の両親が取材に応じました。

いじめが続いていた当時、女子児童の傘やキーホルダーがひんぱんに壊れていたということで、不審に思って学校生活について質問しても、同級生から口止めされていた女子児童は「自分でやった」などと言っていじめを打ち明けることができなかったということです。

当時の様子について母親は「家では明るくふるまっていたので、いじめられているというのはわからなかったが、『しゃべったらきょうだいをボコボコにする』と脅され家族を守らなければいけないという意識だったとあとから聞いた」と話しています。

女子児童が唯一、SOSを出したのが学校のアンケートだったのに適切な対応を取られなかったことについて、父親は「大人に対するいちばん最初のメッセージだったにもかかわらず結果的に半年以上いじめが放置され、その間にエスカレートしていった。アンケートという形はあるけど適切に運用されていなかった。第三者委員会の報告書を教育に携わる方、全員で共有して考えてほしい」と話しています。

また、第三者委員会を設置するよう要望したのに吹田市の教育委員会が数か月、真剣に検討しなかったことについて、母親は「教育委員会は学校に任せるばかりで、調査をしてほしいと伝えても動いてくれず、なんのための組織なのかと感じた。次に同じような事案があったときには、各機関と連携しながら対応してほしい」と話しています。