両陛下 きょうトランプ大統領夫妻の歓迎行事に

両陛下 きょうトランプ大統領夫妻の歓迎行事に
天皇皇后両陛下は、27日、国賓として来日しているアメリカのトランプ大統領夫妻を歓迎する行事に臨まれます。天皇陛下が、外国の元首と会見されるのは、即位後初めてになります。
トランプ大統領夫妻は、27日午前、皇居・宮殿の「南車寄」に到着し、天皇皇后両陛下が出迎えられて歓迎式典が始まります。

そして、宮殿の前庭で両国の国歌が演奏されたあと、トランプ大統領が陸上自衛隊の儀仗隊の栄誉礼を受けます。

続いて、両陛下は、大統領夫妻と宮殿の「竹の間」で会見し、ことばを交わされることになっています。

天皇陛下が外国の元首と会見されるのは即位後初めてで、両陛下がトランプ大統領と会われるのも、27日が初めてです。

会見のあと、両陛下は、皇居をあとにする大統領夫妻を見送られ、午前中の皇居での行事が終わります。

このあと夜には、再びトランプ大統領夫妻が皇居・宮殿を訪れ、両陛下主催の宮中晩さん会が開かれます。

晩さん会には、皇族方や、三権の長、閣僚らのほか、両国の交流に力を尽くした人など170人近くが出席する予定です。

そして、天皇陛下が歓迎のおことばを述べられ、トランプ大統領もスピーチを行ったあと、フランス料理のフルコースによる食事がふるまわれます。

両陛下と国際親善

天皇皇后両陛下は、若い頃の海外経験も生かしながら、外国訪問や賓客の接遇などを通じて国際親善に努められてきました。

天皇陛下は、昭和49年、中学3年生の時に初めて外国を訪れ、オーストラリアでホームステイを経験されました。

大学院在学中の昭和58年から2年間は、イギリスのオックスフォード大学に留学し、水上交通の歴史について研究するとともに、学生寮で生活し、各国からの留学生たちと交流を深められました。

皇后さまは、子どものころ、外交官だった父親や家族とともにモスクワやニューヨークで生活され、語学が堪能なことで知られています。

アメリカのハーバード大学を卒業して外務省に入り、父親と同じ外交官として第一線で活躍されていました。

平成5年6月の結婚から1か月後、皇后さまは、宮中晩さん会で皇族として国際舞台にデビューし、元外交官のキャリアをいかして外国の首脳と懇談されました。

翌年、両陛下は、初めてお二人での外国公式訪問に臨み、中東4か国を回って国際親善に努められました。

平成13年に長女の愛子さまが誕生されたあとも、お二人でニュージーランドとオーストラリアを公式訪問されましたが、平成15年、皇后さまが体調を崩されて以降は、天皇陛下お一人での外国訪問が続きました。

そうした中、平成25年に、皇后さまにとって11年ぶりの外国公式訪問が実現し、お二人そろってオランダの新しい国王の即位式などに臨まれました。

天皇陛下が、これまでに公式訪問した国は、合わせて39か国に上り、このうち12か国は皇后さまと訪問されています。

両陛下は、来日した海外からの賓客を接遇する行事にも臨まれてきました。

平成23年、ブータンの国王夫妻が国賓として来日した際には、上皇さまが体調を崩して入院されていたため、天皇陛下が名代として歓迎式典に臨み、宮中晩さん会では上皇さまのおことばを読み上げられました。

皇后さまは、平成26年にオランダの国王夫妻が国賓として来日した際、11年ぶりに宮中晩さん会に臨み、以来、国賓を迎える晩さん会には欠かさず出席されています。

天皇陛下は、即位を前にしたことし2月の記者会見で、新たな時代に臨む決意などを尋ねられ、「国際親善とそれに伴う交流活動も皇室の重要な公務の一つであると思います」と述べられました。

そのうえで、これまでの国際交流を振り返り、「日本と各国との友好親善の一助となったのであれば幸いです」と話されています。

天皇陛下と外国元首らとの会見

天皇と外国の元首や王族との会見は、国際親善のための公務として行われています。

国賓として外国の元首が来日した場合には、皇居・宮殿の「竹の間」で会見が行われます。

以前は、国賓以外の賓客でも宮殿が使われましたが、東日本大震災を受けて節電を意識するようになってからは、多くが上皇ご夫妻のお住まいで行われてきました。

平成の時代、上皇さまは平均して1年に10回余り会見に臨まれ、在位中、その数、合わせて354回に上りました。

上皇さまは、国の大小にかかわらずどの相手とも分け隔てなく接し、20分から30分ほど通訳を介して親しく話をされ、夫妻で訪れた場合などには上皇后さまも同席されました。

この席では、両国の関係の発展を願うことばが交わされたほか、歴史や文化、環境問題など、話題は多岐にのぼり、上皇さまが、災害の支援に対するお礼を述べられることもありました。

会見が終わると、ご夫妻は、お住まいや宮殿の玄関まで出てあいさつを交わし、相手の車が見えなくなるまで見送るなど、毎回、心を尽くして友好親善に努められました。

新たに即位した天皇陛下は、皇太子時代、上皇さまが入院された際などに、名代として3回、会見に臨まれています。

このうち、平成23年11月に国賓として来日したブータンの国王夫妻との会見では、この年に発生した東日本大震災に触れ、「貴重な支援や、国王みずからが法要を営み犠牲者の霊を慰めてくれたことに感謝します」などと述べられました。

米大統領とのこれまでの会見

平成の時代、上皇ご夫妻は、来日したアメリカ大統領と合わせて6回、会見に臨まれました。

会見では、日米両国の友好関係や協力の歴史を中心に、さまざまなテーマが話題にのぼってきました。

このうち、おととし11月にトランプ大統領夫妻が来日した際に行われた会見では、トランプ大統領が、「陛下は、すべての日本の国民から深く慕われていると伺っております。お目にかかることができて大変光栄です」と述べると、上皇さまは、「お気持ちをうれしく思います」とこたえられたということです。

また、上皇さまは、「両国はかつて戦争をした歴史がありますが、その後の日米の友好関係、米国からの支援により、今日(こんにち)の日本があるのだと思います」と述べられたということです。

5年前に国賓として来日したオバマ大統領との会見では、上皇さまが東日本大震災について触れ、「大震災のあとでアメリカから多大な支援を得たことに深く感謝いたします」としたうえで、アメリカ軍による大規模な支援活動を取り上げ、「とくに、『トモダチ作戦』は、多くの国民の心に残るものでした」と話されました。

これに対してオバマ大統領は、「日本とアメリカは、苦しい時にも助け合える関係となっています」と述べたということです。

また、平成8年に国賓として来日したクリントン大統領夫妻との会見では、上皇さまが沖縄をめぐる問題に触れ、「沖縄の人たちの気持ちにも配慮しながら、両国政府の間で十分協力して解決の方向に向かうことを願っています」と述べられました。

これに対してクリントン大統領は、「沖縄の人の気持ちはよく分かっています。沖縄の人々を含めた日本国民との友情を大切にしていきたい」と応じたということです。

歓迎式典とは

皇居での歓迎式典は、国賓への接遇として政府の主催で行われます。

以前は、東京 元赤坂の迎賓館で行われていましたが、迎賓館の改修工事のため平成18年に皇居・宮殿に場所を移して以来、皇居で行われるようになりました。

式典では、はじめに天皇皇后両陛下が、宮殿の「南車寄」に到着した国賓とあいさつを交わされます。

そして宮殿の中に進み、天皇陛下が国賓に皇族方や総理大臣などを紹介されます。

続いて宮殿の前庭、「東庭」で歓迎の式典が行われ、両陛下が国賓とともに壇の上に並ばれると、陸上自衛隊の音楽隊によって両国の国歌が演奏されます。

演奏が終わると、国賓が陸上自衛隊の儀仗隊の栄誉礼を受け、赤いじゅうたんの上を歩いて整列した隊員を巡閲します。

このあと、日本側で出迎えに並んだ衆参両院の議長や最高裁判所の長官、それに閣僚などが国賓に紹介されます。

また、国賓側の随員も両陛下に紹介されます。

式典には、皇居の近くの小学校に通う子どもたちなども招かれ、両国の小旗を振って国賓を歓迎します。

最後に、両陛下が国賓とともに宮殿の「南車寄」に進んで式典が終了し、引き続き、宮殿内で両陛下と国賓との会見の行事が行われます。

宮殿「竹の間」とは

「竹の間」は、宮殿の中央に位置する「正殿」の3つの部屋のうちいちばん南側にある部屋です。

広さは180平方メートル余りあり、天井と柱の一部には木曽ひのきが使われていて、国賓として来日した外国の元首との会見などに使われています。

今月8日には、天皇陛下が、即位の礼と大嘗祭(だいじょうさい)の中心的な儀式の期日を伝えるため、伊勢神宮や神武天皇陵などに使者を派遣される儀式が、この部屋で行われました。

宮中晩さん会とは

宮中晩さん会は、国賓を歓迎するため、天皇皇后両陛下が主催されて皇居・宮殿で開かれます。

晩さん会には、皇族方をはじめ、三権の長や閣僚なども出席するほか、両国の交流に力を尽くした人や、相手国とゆかりの深い人たちも招かれます。

今回は、日本とアメリカを行き来して研究を行っている京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長や、男子ゴルフのアメリカツアーで、日本選手として初優勝を果たしたプロゴルファーの青木功さんなどが出席する予定です。

服装は相手国と相談して決められ、今回は、男性はタキシードや和服など、女性はロングドレスや和服などで臨むことになっています。

晩さん会でははじめに両陛下が宮殿の「南車寄」で到着した国賓を出迎えられます。

そして、国賓を「松風の間」に案内し、出席される皇族方を紹介されます。続いて国賓とともに「石橋の間」に入り、招待者全員から順番にあいさつを受けられます。

あいさつを終えた招待者たちが食事会場の「豊明殿」に移動して着席すると皇族方も会場に入られます。

このあと招待者たちが起立して迎える中、宮内庁の楽部による入場曲の演奏にあわせて、両陛下が国賓とともに「豊明殿」に入られます。

天皇陛下は歓迎のおことばを述べ、相手国の国歌の演奏に続いて乾杯を行われ、国賓もスピーチをしたあと「君が代」の演奏に続いて乾杯し、食事が始まります。

テーブルには、相手国の国旗にちなんだ色の花が飾られ、ゆかりの曲などが演奏される中、宮内庁の大膳課が手がけるフランス料理のフルコースがふるまわれ、和やかに歓談が進みます。

メニューの中身は、国賓の好みや宗教上の理由で食べられないものなどを考慮して決められ、スープ、魚料理、肉料理、サラダ、アイスクリーム、デザートの順に出されます。

食材は、栃木県にある皇室専用の御料牧場などから調達されます。富士山の形をしたアイスクリームは大正時代に考案されたもので、定番のメニューとなっています。

食事のあとは「春秋の間」に会場を移して再び歓談の時間が設けられ、コーヒーや食後酒が出されます。

両陛下は最後に国賓を宮殿の「南車寄」まで案内し、あいさつを交わして出発を見送られます。