東南アジアで「かけ子研修」 参加した男性が実態語る

東南アジアで「かけ子研修」 参加した男性が実態語る
4000キロ以上離れたタイで日本の詐欺グループの拠点が摘発され、日本に詐欺の電話をかけていたとして男らが逮捕された今回の事件。海外に詐欺の拠点を移すグループが相次ぐ中、東南アジアのある国で「かけ子の研修」に参加したという男性がその実態を語りました。
男性はインターネットの掲示板で「高額な仕事がある」という書き込みを見て連絡したところ、男から東南アジアのある国の空港に来るように指示されたということです。

仕事内容は詳しく説明されず、空港に着くと車が待機していて、首都の中心部にあるビルに連れて行かれ、そこで初めて仕事は「振り込め詐欺のかけ子」だと明かされたということです。

男性は「部屋に入ると腕に入れ墨がある男から“人をだまして金を取る仕事をしてもらう”と言われた。スマホとマニュアル、名簿を渡され、先輩かけ子の電話を見学し、レクチャーを受けた」と当時の様子を振り返りました。

拠点のビルの入り口には、ライフルを持った警備員がいて、部屋では、およそ20人が日本に詐欺の電話をかけていたということです。

マニュアルには、警察官を装って「キャッシュカードを交換する必要がある」と電話をかけ、その後、金融庁の職員を名乗る先輩のかけ子に電話を代わり、最後に日本にいる「受け子」がカードを受け取りに行くという、だましのシナリオが書かれていたということです。

男性は警察官の役で「最初のかけ子はとにかく電話をかけていって、お年寄りが引っ掛かったら“金融庁の者に代わります”と誘導するよう教えられた」と説明しました。

活動時間は朝の8時から夕方までで、報酬はだまし取った金額の5%を1週間ごとに現金で支払うと約束されたということです。

かけ子の中には、中国の大連でも詐欺の電話をかけていたという男や、日本で「受け子」をしていたが逮捕されそうになったので逃亡してきたという男、19歳の若者もいたということです。

さらに、幹部の男が「現地の警察に賄賂を渡しているので捕まらない」と説明していたということです。

男性は、自分には詐欺はできないと逃げ出し、帰国しました。

男性は「先輩のかけ子たちは“きょうは1000万円だませた”と万歳をして酒盛りをしていた。一方で、だまされて泣いている人がいると思うと、むなしい気持ちになった。かけ子をしている人は早く辞めてまともな仕事をしてほしい」と話していました。