トランプ大統領訪日 首脳会談 貿易交渉やイラン対応など焦点に

トランプ大統領訪日 首脳会談 貿易交渉やイラン対応など焦点に
アメリカのトランプ大統領が、令和になってから初めての国賓として25日から日本を訪れます。安倍総理大臣は、ゴルフや相撲観戦を通じ、首脳間の信頼関係を強化し、強固な日米同盟を内外にアピールする機会にしたい考えですが、首脳会談では、意見の違いが表面化している貿易交渉や、日本の伝統的な友好国イランへの対応などが焦点となる見通しです。
令和になってから初めての国賓として、アメリカのトランプ大統領が25日から4日間の日程で日本を訪れます。

トランプ大統領の日本訪問はおととし11月以来、2回目で、国賓として訪れるのはこれが初めてです。

安倍総理大臣は、26日は朝食から夕食まで3食をトランプ大統領と一緒にとり、終日もてなすことにしていて、午前中はプロゴルファーの青木功さんを交えて千葉県内でゴルフをすることにしています。
そして午後には、大相撲夏場所の千秋楽を観戦したあと、両夫人を交えて東京都内の居酒屋で夕食をともにすることにしています。

そして両首脳は27日には、11回目となる日米首脳会談に臨んだあと、北朝鮮の拉致被害者の家族などと面会し、夜には宮中晩餐会に出席するほか、27日には海上自衛隊の護衛艦「かが」に乗船し、自衛隊員やアメリカ海軍の兵士などを前に訓示することにしています。

今回のトランプ大統領の訪問で、安倍総理大臣は、ゴルフや相撲観戦を通じ首脳間の信頼関係を強化し、強固な日米同盟を内外にアピールする機会にしたい考えで、今後の北朝鮮への対応や、来月に迫るG20大阪サミットの成功に向けて意見が交わされる見通しです。

一方、先月、始まった日米の新たな貿易交渉では、農産物や自動車など物品関税の水準などで意見の違いが表面化しているほか、日本の伝統的な友好国イランとアメリカの間の緊張が高まっており、首脳会談では、これらの課題への対応などが焦点となる見通しです。

首相 トランプ大統領との首脳会談10回

安倍総理大臣は、各国首脳に先駆けて就任前のトランプ大統領と会談するなど、個人的な信頼関係を築くとともに日米同盟の強化に取り組んできました。

安倍総理大臣が初めてトランプ大統領に会ったのは3年前、2016年の11月でした。
南米諸国の訪問に先立ってニューヨークに立ち寄り、アメリカ大統領選挙で勝利した直後のトランプ大統領と私邸があるトランプタワーで非公式に会談しました。
日本の総理大臣が、就任前のアメリカ大統領と会談するのは極めて異例で、トランプ大統領にとっては大統領選挙後、初めて会談する外国の首脳となりました。

それからわずか3か月後の2017年2月、安倍総理大臣はワシントンを訪れ、トランプ大統領との初めての首脳会談に臨みました。
そしてアメリカが核戦力を含む軍事力で日本を守る「拡大抑止」を引き続き提供する方針などを盛り込んだ共同声明を発表しました。

このあと両首脳は大統領専用機、エアフォース・ワンで、南部フロリダ州に移動し、プロゴルファーを交えて共通の趣味のゴルフを楽しみました。

フロリダ滞在中に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射。
両首脳はトランプ大統領の別荘でそろって姿を現し、北朝鮮の対応を強く批判する共同声明を発表し、日米の緊密な連携をアピールしました。

この年の11月には、トランプ大統領が就任後、初めて日本を訪れます。
安倍総理大臣は、トランプ大統領の希望も踏まえ、プロゴルファーの松山英樹選手も交えて、再びゴルフをしたほか、和牛の鉄板焼きなどでもてなし、親交を深めました。

去年4月、安倍総理大臣は、最初の米朝首脳会談を前に、再びアメリカ南部フロリダ州のトランプ大統領の別荘を訪れます。
そして2日間にわたって首脳会談を行い、北朝鮮への対応をめぐって方針をすり合わせました。
この際も両首脳は3回目のゴルフをしていて、ゴルフを一緒にするのは先月に続いて今回で5回目です。

安倍総理大臣とトランプ大統領は、国際会議などに合わせて首脳会談を重ねていて、トランプ大統領就任後2年余りでこれまでに10回会談したほか、電話会談は30回に上っています。

日米貿易交渉の経緯

貿易分野をめぐって、日本はアメリカ第一主義を掲げ、多国間よりも2国間の交渉を重視するトランプ大統領が打ち出す政策に対応を迫られてきました。

多額の貿易赤字を問題視するトランプ大統領は、アメリカ国内の雇用が奪われるとして、大統領選挙での主張どおり、就任後直ちに参加12か国で署名にまで至っていたTPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱を表明。
日本は、アメリカを除く11か国でのTPPの妥結にかじを切りますが、2国間交渉を求めるアメリカと向き合うため、安倍総理大臣はトランプ大統領との初めての首脳会談で、麻生副総理兼財務大臣とペンス副大統領による「日米経済対話」の新設を提案。

経済対話は2回開かれ、アメリカのLNG=液化天然ガスの輸出拡大に向けて協力することなどで合意しましたが、トランプ大統領が重視する貿易分野での目立った進展はありませんでした。

アメリカは、安全保障への脅威を理由に発動した、鉄鋼製品などに高い関税を課す輸入制限措置の対象に日本も含めたほか、各国からの輸入車に高い関税を課す構えも見せ、強硬な姿勢を鮮明にしていきます。

こうした中、安倍総理大臣とトランプ大統領は、去年4月、茂木経済再生担当大臣とライトハイザー通商代表による協議の枠組みの新設で合意。
トランプ大統領の意向に沿って、貿易や投資の分野に絞った協議を開始します。

そして去年9月、両首脳は「日米物品貿易協定」の締結に向けた交渉を開始することで合意し、先月、茂木大臣とライトハイザー代表の間で、農産物や自動車など物品の関税をめぐる本格的な交渉が始まりました。

トランプ大統領は来年の大統領選挙を見据え、早い時期での目に見える成果を求めているとみられますが、日本政府は夏の参議院選挙の前の妥結には慎重な立場で、物品の関税水準の交渉に加え、妥結の時期をめぐっても駆け引きが続いています。