体操のNHK杯前に谷川翔が競技会場で調整

体操のNHK杯前に谷川翔が競技会場で調整
体操の世界選手権の代表選考をかねたNHK杯が18日から東京で行われるのを前に、先月の全日本選手権で2連覇を達成した20歳の谷川翔選手が競技会場で調整し、「あん馬」で難しい技をほぼ完璧に決めるなど調子のよさをうかがわせました。
体操の個人総合で争うNHK杯は、先月行われた全日本選手権の成績との合計で順位が決まり、男子は大会の上位3選手が、ことし10月にドイツで開かれる世界選手権の代表に決まります。

谷川選手は全日本選手権で、史上最年少で優勝した去年に続き2連覇を達成し、NHK杯では大会初優勝を目指します。

18日の本番に向けて、17日は東京 調布市の会場で練習が行われ、谷川選手は6種目すべてで器具の感触を確かめながら練習し、このうち得意の「あん馬」では、安定した動きでF難度の「ブスナリ」をほぼ完璧に決めるなど調子のよさをうかがわせていました。

一方、全日本選手権2位から逆転での優勝をねらう萱和磨選手は、ほとんどの種目で試合で行う演技構成を練習するなど、本番を想定した調整を行っていました。

また、全日本選手権で30位だったリオデジャネイロオリンピックの団体金メダルメンバー、白井健三選手は、得意の「ゆか」で着地が乱れる場面がありましたが、時折、コーチやほかの選手たちと会話を交わしながらリラックスした表情で調整していました。

去年の大会まで10連覇を達成していた内村航平選手は、全日本選手権の予選で40位に終わって敗退し、今大会には出場できません。

大会は18日、女子の競技が行われ、19日に男子の競技が行われます。

谷川翔「集中して臨みたい」

先月の全日本選手権で2連覇を達成した谷川翔選手は、「全日本選手権のあとは、構成の難度を上げることなくそのままの構成でどれだけ安定感や技の出来栄えを伸ばせるか考えて着地などの細かい部分を練習してきた。自分の演技を6種目しっかりやれば結果はついてくると思うのでとにかく集中して臨みたい」とNHK杯の初優勝に向け意欲を示しました。

そして、去年のNHK杯では「鉄棒」で落下するミスで大きく順位を下げたことについて「去年は、全日本選手権優勝の余韻に浸り、調子に乗っていた部分があった。ここで満足することなくしっかりやって代表の座を勝ち取りたいし嫌なイメージは忘れてのびのび演技したい」と笑顔で話していました。

一方、今大会に内村航平選手が出場できないことについて「去年の大会では、内村選手が自分より下の順位から追い上げてきて、とても怖かった。ことしは出場していないので、その点は怖さがない。ただ、一緒に戦ったうえで勝ちたかった」と複雑な心境を明かしていました。

萱「子どものころから憧れの大会」

全日本選手権2位の萱和磨選手は「全日本選手権では得意のあん馬と平行棒で思ったより得点が取れなかったので集中的に強化してきた。成果を出せれば全日本よりもいい成績を残せると思う」と練習の手応えを口にしました。

さらに、「NHK杯は子どものころから憧れている大会で優勝したいという気持ちが強い。優勝して世界選手権の代表に入りたい」と意気込みを話していました。

武田「調子はバッチリ」

全日本選手権で3位になった武田一志選手は「調子はバッチリ。全日本選手権が終わってからすごくいい準備ができている。大会は僅差の戦いになると思う。どうやって勝つかと考えたときに、1種目でも多く着地を止めることだと思い着地を練習してきた」と話していました。

谷川航「全日本のミス意識せず自分の演技を」

全日本選手権5位からの追い上げをねらう谷川航選手は「全日本選手権では予選も決勝も鉄棒の同じところで落下してしまった。落下したことは忘れてしまおうというくらいの気持ちで練習してきた」と話しました。

そのうえでNHK杯の上位3人が選ばれる世界選手権の代表選考については「3位との点差はミスがなければ追い越せる点差だと思う。全日本選手権のミスは意識しないで、自分の演技をしたい」と意気込んでいました。

米倉は「ヨネクラ」に挑む

「跳馬」でみずからの名がつく最高難度の技「ヨネクラ」を持つ米倉英信選手はNHK杯でも「ヨネクラ」に挑むとしたうえで、「いい感じで仕上がっていると思うので自信を持ってやりたい。着地の部分が減点されやすく、どれだけ精度の高いものを出せるか、着地に重点を置いて練習してきた。しっかり本番で高い精度の着地が出せたらいいなと思う」と話していました。

水鳥男子強化本部長「若い選手たち まだまだチャンス」

日本体操協会の水鳥寿思男子強化本部長は「先月の全日本選手権から内村航平選手や白井健三選手など代表を支えてきた選手が苦戦しているが、一方で、若い選手たちの健闘も光っている。東京オリンピックを1年前に控えてある程度、メンバーも見えてくると思ったがまだまだチャンスはあるので、若い選手たちは代表で活躍できる実力を示し、“我こそは”と名乗りをあげてほしい」と若手の台頭を期待していました。

そして、去年までNHK杯10連覇を達成しながら、今大会は出場できない内村選手について「全日本選手権は40位だったが、小さなけがが積み重なり十分な調整ができなかった結果だと思っている。来月の全日本種目別選手権は出場に前向きだと聞いているし、内村選手の『鉄棒』は日本の大きな武器になるので、そこにむけて頑張ってほしいと伝えている」と話していました。