北朝鮮で記録的な少雨 食糧難深刻化の可能性も

北朝鮮で記録的な少雨 食糧難深刻化の可能性も
北朝鮮の国営メディアは、北朝鮮ではことしに入っての降水量が1917年以降で最も少なくなっているとして、干ばつへの対策を呼びかけています。北朝鮮では去年の農作物の収穫量が過去10年で最悪だったとされていて、食糧難が深刻化する可能性があります。
17日付けの朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、北朝鮮の気象当局者の話として、ことし1月からおとといまでの全国平均の降水量は56.3ミリで、例年のおよそ40%にとどまり、1917年以降で最も少なく、記録的な雨の少なさになっていると伝えました。

そのうえで、「干ばつを克服するほどの雨は予想されておらず、こうした状況は来月上旬まで続くとみられる。農業生産を増やすにあたって切迫した問題は、干ばつから農作物を守ることだ」と対策を呼びかけています。

北朝鮮の食糧事情をめぐっては、WFP=世界食糧計画が去年の農作物の収穫量は、過去10年で最悪だったとする調査結果を発表していて、雨が少ない状態が続けば、食糧難が深刻化する可能性があります。

こうした状況から、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、北朝鮮への食糧支援が必要だとする立場を示していますが、北朝鮮が国連の制裁決議に違反する弾道ミサイルの発射を再開するなど、非核化に向けた具体的な進展がみられないなか、支援の動きが本格化した場合には反対の声が強まりそうです。

韓国が国際機関通じた支援表明

北朝鮮の食糧難が深刻化する可能性があることを受けて、韓国統一省のイ・サンミン(李相旻)報道官は、17日午後、緊急の記者会見を行い、WFP=世界食糧計画とユニセフ=国連児童基金による北朝鮮の児童と妊娠中の女性の栄養改善や母子の保健分野での事業のため、800万ドル(日本円でおよそ8億8000万円)を拠出すると発表しました。

そのうえで、北朝鮮の非核化に具体的な進展がない中で支援を行うことに国内からも懸念の声が出ていることを踏まえ、「今後、北への食糧支援の問題は国民の意見を十分に取りまとめて、国際機関を通じた支援や直接支援など、具体的な計画を検討していく」と述べて、理解を求めました。

一方、イ報道官は、北朝鮮の核実験や弾道ミサイルの発射を受けて、操業を全面的に中断しているケソン(開城)工業団地に進出していた韓国企業の経営者たちが現地を訪問し、工場などを点検することを初めて認め、今後、実現に向けて北朝鮮側と協議することも明らかにしました。