文法もつづりも間違いでも得点 数々の疑問 英語民間試験

文法もつづりも間違いでも得点 数々の疑問 英語民間試験
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今のセンター試験に代わり、再来年から始まる「大学入学共通テスト」に新たに導入される英語の民間試験に対しては、さまざまな疑問の声が上がっています。
西日本の高校で英語を教えている教員は去年、生徒が受けたある民間試験の採点に疑問を持ちました。

「地域をきれいにするためにできることは何だと思うか、1つ取り上げて理由を書きなさい」という英作文の問題で、生徒の解答用紙には「I think to inportant」としか書かれておらず、文法や単語のつづりも間違っていました。

この教員は、過去に民間試験の採点に関わった経験があり、自身ならば「0点」にすると言いますが、業者から返ってきたスコアは160点満点中41点だったということです。

この試験の採点はアジアなど複数の国の業者に委託するなどして行われているといいます。

この教員は「自分の能力を測定するだけの検定試験なら、生徒のやる気を損なわないため、多少甘い採点もあり、かもしれない。しかし、入試に使われると思うと、満点の4分の1もの点が付いているのは疑問だ。本番でもきちんと採点が行われるか不安があるし、ある試験の採点がやさしいと評判になったらそこに受験生が殺到して結果的に公平な評価にならず問題だ」と話しています。

各事業者で採点基準が大きく異なる

民間試験を実施する7つの事業者は、採点者の基準やその公表方針が、それぞれ大きく異なっています。

▽「ケンブリッジ英語検定」は、大卒以上で英語教育に関する資格を保持し、英語の指導歴が3年以上などとしています。

▽「TOEFL iBT」は、大卒以上で英語の指導経験があるなどとしています。

▽「IELTS」は、大卒以上で英語教育に関する資格を保持し、英語の指導歴が3年以上などとしています。

▽「TOEIC」は、大卒以上で英語教育に関する資格を保持し、一定期間の指導経験があることなどとしています。

▽ベネッセコーポレーションが実施する「GTEC」は、海外の英語を話す人で、採用試験に合格した者、などとしています。

▽「英検」、「TEAP」、「TEAP CBT」は、いずれも日本英語検定協会が実施していますが、採点者は国内・海外を問わないが、応募資格などは「機密事項」につき公表できないとしています。

異なる試験の点数どう平準化 受験料もまちまち

採点以外にも課題が指摘されています。

1つは異なる試験によるスコアをどこまで公平に平準化できるかです。

この手段として国は、国際的にも使われている「CEFR」という指標を用いるとしています。

しかし、目的や手法も異なる試験のスコアをどこまで公平に評価できるのか、問題視する意見が根強くあります。

また、試験によって受験料がまちまちで、6000円ほどから高いものでは2万5000円を超えるものもあります。

大学入試センターに提出できるスコアは2回ですが、練習で試験を受けることも可能です。

このため、家庭の経済状況や地域によって受験機会に格差が生じることも懸念されています。