EU議会選挙 懐疑的な勢力 どこまで議席増やすか

EU議会選挙 懐疑的な勢力 どこまで議席増やすか
EU=ヨーロッパ連合の加盟国で作るヨーロッパ議会の選挙が来週23日に始まります。選挙の結果はEUの統合の行方や移民問題など今後の政策を左右するだけに、支持を伸ばしているEUに懐疑的な勢力がどこまで議席を増やすかが焦点です。
ヨーロッパ議会選挙の投票は、来週23日にイギリスとオランダで始まり、26日まで加盟国ごとに行われます。

選挙は5年に1度行われ、離脱を決めているイギリスを含む28か国から、合わせて751人の議員が選ばれます。イギリスは、本来、選挙までに離脱しているはずでしたが、離脱の手続きを終えることができなかったため、選挙に参加することになりました。

ヨーロッパ議会は現在、EUの統合を支持する中道の2つの会派で401議席と過半数を大きく上回っていて、EUは安定した政策を推進してきました。しかし最新の世論調査によりますと、今回は316議席と過半数には届かない見通しです。

一方、国の主権の回復など自国第一主義を掲げるイタリアやハンガリーの与党、それにフランスやスペインの極右政党などEUに懐疑的な勢力が支持を伸ばしていて、合わせて255議席と全議席の3分の1を獲得する勢いです。

こうした勢力が支持を拡大すればEUの統合にブレーキがかかる可能性があるほか、移民をめぐる問題など重要な政策にも影響するとみられ、どこまで議席を増やすかが焦点です。

EU議会選挙とは

ヨーロッパ議会選挙は5年に1度、加盟国ごとに投票が行われます。有権者はおよそ4億人で、751の議席は人口に応じて、国ごとに割り当てられています。

最も多いのはドイツの96議席、最も少ないのはルクセンブルクやキプロスなどの6議席です。

ヨーロッパ議会では、政治信条を同じくする各国の議員が、国家を横断する形で会派を作り、活動を行います。

投票は来週23日、イギリスとオランダで始まり、最終日の26日には、ドイツやフランス、イタリアなど21か国で行われます。

開票結果は、最終日の26日にまとめて発表されることになっています。

拡大するEUに懐疑的な勢力

今回の選挙ではEUの統合に反対し、国境管理の強化など国家の主権を強く主張するEUに懐疑的な勢力が全体の3分の1を上回る議席を獲得する勢いです。

これは内戦が続くシリアやアフリカなどからヨーロッパに押し寄せた難民や移民の受け入れをめぐり、EUの移民政策への不満が高まっている現状を反映したものとみられています。

EUが去年11月、すべての加盟国で行った世論調査では「EUが抱える最大の課題は何か」という質問に対し、「移民問題」と答えた人が最も多く、40%に上りました。

前回5年前の選挙でも移民の排斥を掲げる極右政党など、EUに懐疑的な勢力が支持を集めましたが、今回、大きく異なっているのがその主張です。

離脱が争点となっているイギリスを別にすれば、EUやユーロ圏からの離脱を主張する政党はありません。背景にはイギリスのEUからの離脱の交渉が難航していることがあるとみられています。

イギリスでは、離脱交渉の過程で国内が長期にわたって混乱し、将来的に、ばく大な経済的損失が出ることが予想されるなど、離脱のデメリットが次々と明らかになりました。

このため、EUに懐疑的な勢力はEUにとどまったうえで、内部から統合を阻止する戦略に変更したのではないかとみられています。