大津事故1週間 容疑者立ち会わせ確認

大津事故1週間 容疑者立ち会わせ確認
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大津市で散歩中の保育園児の列に車が突っ込み、2人が死亡した事故から15日で1週間です。

警察は、事故を誘発したとして逮捕された乗用車の運転手の女を現場に立ち会わせ、当時の状況を確認しました。
今月8日、大津市の交差点で、歩道で信号待ちをしていた保育園児と保育士16人の列に車が突っ込んだ事故では、2歳の園児2人が死亡、別の園児1人が意識不明の重体となっているほか、13人が重軽傷を負いました。

道路を直進していた軽乗用車が、交差点を右折しようとした乗用車と衝突して歩道に乗り上げたということで、警察は乗用車を運転していた新立文子容疑者(52)を逮捕し、過失運転致死傷の疑いで調べています。

事故から1週間となった15日、警察は午前中、現場に新立容疑者を立ち会わせて事故当時の状況を確認しました。

これまでの調べに対し「衝突してから相手の車に気付いた」などと供述しているということで、15日は交差点の右折レーン付近で、路上に立って当時の状況などを説明していました。

また、現場には直進した軽乗用車を運転していて逮捕され、その後、釈放された女性も立ち会いました。

警察は、この軽乗用車のものを含む複数の車のドライブレコーダーの提出を受けていて、記録された映像などをもとに事故の経緯を詳しく調べています。

園児6人は今も入院治療

15日で事故から1週間になりますが、病院に搬送された園児のうち6人は今も入院したままで、治療が続けられています。

警察によりますと、このうち頭などを強く打ち、重体となっている2歳の男の子は、今も意識不明のままで集中治療室で手当てを受けているということです。

また足の骨を折るなどの重傷を負った2歳から3歳の8人のうち3人は退院しましたが、5人は入院して治療を続けているということです。

軽傷だった2人の子どもと保育士3人は、15日までに退院しました。

献花台にはきょうも多くの人

事故から1週間の15日も、現場付近に設けられた献花台には亡くなった園児2人を悼む多くの人たちが訪れました。

近所に住む夫婦は「亡くなった子どもたちと同い年の子どもがいるので来なければいけないと思って来ました。運転に気をつけてくれればこのような事故は起きなかったと思うので、みんなで意識していきたい」と話していました。

事故の際に現場に居合わせたという50代の男性は「本当に不運な事故で、1週間たったがいまだに忘れられません。ドライバーも自転車も歩行者もみんなが交通ルールをいま一度、意識すべきだ」と話していました。

大津市長「子どもの安全守る対策を」

大津市の越市長は、15日の記者会見で「子どもの安全を守る対策を進めていきたい」として小学校の通学路に設けられているスクールゾーンと同じように保育園の周辺でも交通を規制する区域を新たに設けるよう国や関係機関に働きかけていく考えを示しました。

三日月知事 国に安全対策への支援要請へ

滋賀県の三日月知事は15日の会見で来週、東京の各省庁を訪れて安全対策を行うために財政面での支援や技術的な助言を求める考えを示しました。

三日月知事は会見の中で、毎年この時期に行っている国への政策の要望を行う中で、事故を踏まえた安全対策について「県が単独で行うには財政的な限度もあり、国に支援を求めたい」と述べて、来週21日と22日に各省庁を訪ねた際に、財政的な援助を求める考えを示しました。
また安全対策を行うために必要な専門家による技術的な助言も求めていくということです。

一方、事故現場の安全防止策については14日に警察と行った調査結果を踏まえて、「防護柵の設置や歩道から横断歩道に入る部分に車止めのためのポールの設置などを行う方向で検討を進めている」と述べ、警察の捜査が終わったあと速やかに対策を取る考えを示しました。

安全対策を見直した保育園も

散歩中の保育園児が巻き込まれた今回の事故を受けて、大津市内の保育園では園児を外出させる際の安全対策を見直したところもあります。

このうち、大津市仰木の里東にある保育園では、条件が整えば午前10時半ごろから保育士が園児たちを連れて外出し、近所にある公園で遊ばせる園外活動を行っています。

保育園では今月8日の事故のあと、活動を一時、休止し、公園までのルートの危険箇所を改めて洗い出す作業を行ってきました。

そして14日から活動を再開し、早速4歳児クラス31人がおよそ250メートル離れた公園まで散歩しました。

保育士たちは園を出てすぐの横断歩道のない道路にさしかかると黄色い旗を持って車道に立ち、横断する園児たちの通行をサポートしました。

いままでは旗を使わずに行っていましたが、ドライバーに認識してもらいやすくなるとして導入を決めたということです。

また、交通量の比較的多い道路にさしかかると、保育士たちはこれまでどおり、園児たちに車道からより離れた歩道の端の部分を歩くよう声かけをしました。

その後、園児たちは7分ほど歩いたところで目的地の公園の手前にさしかかりました。

ここでは信号のある横断歩道を渡る必要がありますが、青の時間が15秒程度と短いため、これまでは全員を7、8人ずつ、4列に並ばせたうえで一斉に渡っていました。

ただ、園児が転ぶと渡りきれないおそれがあることから、見直し後は2つのグループごとに2回に分けて渡ることにしました。

このため、公園に到着するのにこれまでより時間がかかるようになりましたが、安全性は高まったということです。

無事に公園に到着した園児たちは大きな滑り台や縄跳びなどで笑顔を見せながら遊んでいました。

保育園では、このほかの散歩のルートについても、可能なかぎり歩道のある道路に変更するなど、園児の安全の確保を第1に見直しを行ったということです。

中西健園長は「本当に痛ましい事故で、とてもつらい1週間だったが、散歩は保育にとって欠かせないもので、子どもたちが外に出てさまざまな発見をする機会を減らすようなことはしたくない。今後もルートや移動方法の変更も含めより安全を確保したうえで散歩を続けていきたい」と話していました。

保育園周辺でスピード違反の取締り

ドライバーに安全運転を促すことで、子どもたちが交通事故に巻き込まれるのを防ごうと、大津市の保育園の周辺で、持ち運びができる装置を使ったスピード違反の取締りなどが行われました。

この取締りは大津市で起きた事故を受けて、緊急に行われたもので、警察が大津市大将軍にある保育園の近くの市道に、制限速度を超えた車を感知すると車のナンバーやドライバーを自動で撮影する装置を設置しました。

また、保育園の前の道には交通安全協会のメンバーが並び、子どもが安全に横断歩道を渡れるよう見守っていました。

県警察本部交通指導課の大川貴之課長補佐は、「通学路や生活道路など子どもが多い場所での取締りを強化して、子どもの安全を守っていきたい」と話していました。