「戦争求めていない」イラン最高指導者 ハメネイ師

「戦争求めていない」イラン最高指導者 ハメネイ師
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アメリカが中東地域に原子力空母を派遣するなどイランをめぐる情勢が緊迫する中、イランの最高指導者ハメネイ師は14日、「われわれは戦争を求めていない」として、武力衝突に発展する事態は、避けたいという考えを強調しました。
アメリカのトランプ政権は、イランがアメリカに対して攻撃をしかける準備があるとして、中東地域に原子力空母を派遣するなど、このところイランをめぐる情勢が緊迫しています。

こうした中、最高指導者のハメネイ師は14日、ツイッターに「イランにとって明確なのは、アメリカに抵抗し続けることだ」と投稿し、圧力に屈しない姿勢を重ねて示しました。

そのうえで、「われわれは戦争を求めていないし、それはアメリカも同じだ」として、武力衝突に発展する事態は避けたいという考えを強調しました。

また、イランのザリーフ外相も訪問先のインドで、「残念なことにアメリカが不必要に事態をエスカレートさせている」と述べて、アメリカに自制を求めました。

イランとしては、アメリカとの全面的な衝突を避けたい考えですが、12日にはイランと対立するサウジアラビアの石油タンカーが何者かに妨害行為を受けて損傷する事件があり、アメリカの一部メディアは、イランやその影響下にある武装勢力が関与した可能性があると伝えています。

イランは事件への関与を否定していますが、さらなる情勢の悪化が懸念されています。

トランプ大統領 12万人派兵は「フェイクニュース」

イラン情勢が緊迫化するなか、アメリカの有力紙が、トランプ政権が事態の悪化に備えて最大で12万人の兵士を中東に派遣する計画を検討していると伝えたことについて、トランプ大統領は14日、記者団に「フェイクニュースだと思う」と述べて報道を否定しました。

そのうえで「願わくは、そういう計画はしたくないが、仮に派遣するなら、12万人どころかもっと多くの兵士を派遣するだろう」と述べて、イランを改めて強くけん制しました。

イラン情勢をめぐってはサウジアラビアの石油タンカーが何者かに妨害行為を受け、一部のメディアはアメリカ政府の初期段階の分析で、イランかその影響下にある武装勢力が関与した可能性があると伝えています。

トランプ政権はこれまで「イランとの戦争は望んでいない」とする一方、アメリカや同盟国が何らかの攻撃を受けた場合、対抗措置をとる構えを示していて、今後の出方が注目されます。

アメリカと各国でイランの脅威に認識の違いも

過激派組織IS=イスラミックステートへの軍事作戦に参加する国々で構成する有志連合は、14日、アメリカの国防総省で定例のビデオ会見を行いました。

この中で副司令官を務めるイギリス陸軍のギカ少将は、記者から対ISの軍事作戦の進捗状況に加え、中東でのイランの脅威について問われたのに対し「イランがイラクやシリアに影響力を持っていることは把握しており、状況を注視しているがイランが背後にいる勢力の脅威が高まっているとは見ていない」と指摘し、この数週間でイランや、その影響下にある武装勢力の軍事的な脅威が高まったとは考えていないことを明らかにしました。

一方、会見のあと、中東地域を管轄するアメリカ中央軍の報道官は声明を発表し、ギカ副司令官の会見での発言について「イランの脅威に関する信頼できる情報に反する」と反論しました。

そのうえで「われわれはイラクで、アメリカ軍に対する差し迫った脅威への監視を続けており、有志連合は今、高いレベルの警戒状態にある」と強調しました。アメリカ軍と各国の軍の間のイランの脅威に対する認識の違いがうかがえます。