全国火山概況 8火山に「火口周辺警報」

全国火山概況 8火山に「火口周辺警報」
気象庁は14日、全国の活火山のことし4月の活動状況や警戒すべき点について発表しました。噴火が発生したり、火山活動が高まったりしているとして、全国8つの火山に「火口周辺警報」が、1つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

火口周辺警報は8火山

今後の噴火で火口の周辺や居住地域の近くに影響が出るおそれがあるとして「火口周辺警報」が発表されているのは、▽福島と山形の県境にある「吾妻山」、▽群馬県にある草津白根山の「白根山」、▽熊本県の「阿蘇山」、▽鹿児島県の「桜島」と「口永良部島」「諏訪之瀬島」、▽小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」の合わせて8の火山です。

噴火警戒レベル3は2火山

このうち、居住地の近くまで影響が出るおそれがあり、「入山規制」を示す「噴火警戒レベル3」は、「桜島」と「口永良部島」に発表されています。

<桜島>
桜島では4月に「南岳山頂火口」で5回の爆発的な噴火を含む合わせて10回の噴火が発生しました。このうち、4月7日の噴火では大きな噴石が火口から1300メートル余り先の4合目まで飛んだのが確認され、13日の噴火では噴煙が2200メートルの高さにまで上がりました。一方、「昭和火口」では噴火は観測されていません。

鹿児島湾奥部の姶良カルデラの地下にある「マグマだまり」ではマグマが蓄積した状態が続いているとみられ、気象庁は今後も噴火活動が続くとして南岳山頂火口と昭和火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒を呼びかけています。

<口永良部島>
口永良部島では2月3日以降、噴火は観測されていませんが、火山ガスの放出量は1日100トンから1000トンとおおむねやや多い状態が続きました。

気象庁は、今後も火砕流を伴う噴火が発生する可能性があるとして噴火警戒レベル3を継続し、火口からおおむね2キロの範囲で大きな噴石や火砕流に、向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では火砕流に警戒するよう呼びかけています。

噴火警戒レベル2は4火山

火口周辺への立ち入りが規制される「噴火警戒レベル2」は、「吾妻山」と、草津白根山の「白根山」、「阿蘇山」、「諏訪之瀬島」の4つの火山に発表されています。

<吾妻山>
福島と山形にまたがる吾妻山では、4月は大穴火口周辺の膨張を示す地盤の変化がおおむね停滞し、火山性地震も減少する傾向がみられたことなどから、気象庁は4月22日に噴火警戒レベルを「2」から「1」に引き下げました。

しかしその後、火山性地震が増加し、大穴火口周辺の膨張を示す傾斜変動もみられたことから、火山活動が再び活発化しているとして、気象庁は5月9日、噴火警戒レベルを再び「2」に引き上げました。

気象庁は小規模な噴火が発生する可能性があるとして、火口からおおむね1.5キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

<草津白根山の白根山>
群馬県にある草津白根山の「白根山」では、湯釜付近の浅い部分の火山性地震はおおむね少ない状態が続いているものの、膨張を示す地盤の変化が続くなど火山活動が高まった状態となっています。

気象庁は今後、小規模な水蒸気噴火が発生する可能性があるとして、湯釜火口からおおむね1キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

<阿蘇山>
阿蘇山は火山性微動の振幅が大きくなったことなどから4月14日に噴火警戒レベルが「1」から「2」に引き上げられました。16日には「中岳第一火口」でごく小規模な噴火が発生し、その後も噴火が発生しています。

火山ガスの放出量も4月下旬以降は非常に多い状態となるなど、火山活動が高まった状態が続いていて、気象庁は中岳第一火口からおおむね1キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

<諏訪之瀬島>
諏訪之瀬島の御岳火口では噴火は観測されませんでした。一方、諏訪之瀬島では長期にわたって噴火を繰り返していることから、気象庁は今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火のおそれがあるとして、火口からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

火口周辺危険は2火山

噴火警戒レベルが導入されていないものの「火口周辺警報」が発表されているのが、小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」です。

<西之島>
「西之島」では、火山活動が低下し噴火の可能性は低くなっているものの、火口付近では噴気が確認されています。気象庁は今後の火山活動の推移に注意が必要だとして、火口からおおむね500メートルの範囲では大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

<硫黄島>
去年9月に海底噴火が起きたと推定される硫黄島では、地盤の隆起を示す変動がみられるほか、島内は全体に地温が高くなっています。気象庁は今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして、警戒を呼びかけています。

「福徳岡ノ場」に「噴火警報(周辺海域)

小笠原諸島の近海にある海底火山の「福徳岡ノ場」では、周辺の海域に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。周辺では火山活動によるとみられる海面の変色が確認されています。

気象庁は小規模な海底噴火の発生が予想されるとして、周辺の海域で警戒を呼びかけています。

警報なし・レベル1も注意

全国の活火山の中には噴火警報が発表されておらず、噴火警戒レベルもレベル1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはなく、気象庁や自治体が発表する情報に注意が必要です。

<草津白根山の本白根山>
草津白根山の「本白根山」では、去年2月以降噴気は観測されておらず、火口付近の地震も少ない状態が続いていました。

このため気象庁は4月5日に噴火警戒レベルを「2」から「1」に引き下げました。ただ、去年1月には突発的に噴火が発生したことから、火口付近では突発的な噴出に注意が必要だとして、自治体の指示に従い、危険な地域には立ち入らないよう呼びかけています。

〈霧島連山の「えびの高原の硫黄山周辺」〉
去年4月に噴火した鹿児島と宮崎の県境にある「えびの高原の硫黄山」では、火山性地震が2月以降おおむね少ない状態が続いていることなどから、4月18日に噴火警戒レベルを「2」から「1」に引き下げられました。

気象庁は引き続き、現在も活発な噴気活動がみられている、硫黄山から西側に500メートル離れた県道脇の噴気地帯からおおむね100メートルの範囲と、硫黄山の火口内では熱水などの飛散に注意するよう呼びかけています。

<新燃岳>
鹿児島と宮崎の県境にある霧島連山の新燃岳は火口直下を震源とする火山性地震が3月以降は、おおむね少ない状態が続いたことなどから、4月5日に噴火警戒レベル「2」から「1」に引き下げられました。

これまでの噴火で、登山道などが危険な状態になっている可能性があるとして、気象庁は引き続き自治体などが行う立入規制に注意するよう呼びかけています。

最新の火山情報の確認を

各地の火山活動の状況や注意点は、気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。