“長崎原爆投下直後 市内に入り被爆” 地裁 遺族の訴え認める

“長崎原爆投下直後 市内に入り被爆” 地裁 遺族の訴え認める
長崎に原爆が投下された直後に被爆地域に入ったと訴え裁判の途中で死亡した男性について、最高裁判所が審理のやり直しを命じていた裁判で、長崎地方裁判所は裁判を引き継いだ遺族の訴えどおり被爆者と認める判決を言い渡しました。
長崎に原爆が投下された際、国が定める被爆地域の外にいた「被爆体験者」300人余りは、被爆者と認めるよう求める裁判を起こしましたが、おととし、最高裁判所がほぼ全員の上告を退け、敗訴が確定しました。

一方で、原告のうち、原爆投下の直後に被爆地域に入ったなどと訴え、裁判の途中で死亡した上戸滿行さんについては、遺族が裁判を引き継ぐことができるとして審理のやり直しを命じ、長崎地方裁判所でいわゆる「入市被爆者」に当たるかどうか、審理が行われてきました。

14日の判決で長崎地方裁判所の武田瑞佳裁判長は「原爆投下後に兄を捜しに被爆地域に行ったという主張は信用性が高い」として、裁判を引き継いだ遺族の訴えどおり被爆者と認めました。

原告団長「勝訴の2文字に心が躍る」

判決のあと、原告の弁護士が、長崎地方裁判所の前で「勝訴」の旗を出しました。

原告団長の岩永千代子さんは「被爆体験者」の仲間や支援者に、「勝訴の2文字に心が躍っています。何とも言いようがありません」と喜びを語りました。

また、原告団の相談役で被爆2世の平野伸人さんは「判決をてこに被爆体験者の問題の根本的な解決になっていけばいいと思います。この判決を今後の展開に生かしていきたい」と話しました。

原告の弁護士「被爆者と認めない処分の取り消しは初めて」

判決について、原告の弁護団の三宅敬英弁護士は「亡くなった方を被爆者と認めない処分の取り消しが認められた判決は、私が知るかぎりでは初めてだ。今まで長崎市などは、被爆者の認定について2人以上の証人を条件として運用してきたが、証人が1人もいなくても裁判を積み重ねることによって救済できることが今回の判決でわかったので、判例を積み重ねていきたい」と話していました。

長崎市長「国とも協議して対応を検討」

判決について、長崎市の田上富久市長は「現時点では判決の具体的内容を確認していませんが、詳細を確認したうえで、国とも協議を行いながら、今後の対応について検討していきたい」とするコメントを出しました。