百舌鳥・古市古墳群 世界遺産登録へ ハニワ課長もPR

百舌鳥・古市古墳群 世界遺産登録へ ハニワ課長もPR
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大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」がことしの世界遺産委員会で世界文化遺産に登録される見通しとなったことを受けて、地元、大阪 堺市では市民が横断幕を掲げて喜びました。
「百舌鳥・古市古墳群」を構成する古墳の一つ、「仁徳天皇陵」とされる国内最大の前方後円墳の近くにある大仙公園には、ボランティアガイドとして活動する市民などおよそ50人が集まりました。

そして「百舌鳥・古市古墳群登録勧告!」と書かれた横断幕を掲げ、万歳して喜びを分かち合いました。

このあと、ハニワのかぶり物をした堺市のマスコットキャラクター「ハニワ課長」が訪れた人たちに「世界遺産ニュース」と題した号外を配り、世界遺産登録に向けて大きく前進したことをPRしました。

ハニワ課長は「土器だけにドキドキして勧告を待っていました。これからも古墳のすばらしさを知ってもらえるよう活動したい」と話していました。

また、古墳周辺で10年以上清掃活動を続け、去年9月にはユネスコの諮問機関イコモスの現地調査で活動の様子を説明した草野利夫さんは「こつこつ活動してきた結果が実り、うれしいです。イコモスの調査員にもよい説明ができていたのではないか」と話していました。

市民「長い間待ち望んでいた」

「仁徳天皇陵」とされる陵墓を見渡せる、地上80メートルの堺市役所の21階の展望ロビーでも喜びの声が聞かれました。

堺市の60代の女性は「世界文化遺産登録を目指していると知ってからこれまで長い間待ち望んでいただけにとてもうれしいです」と話していました。

夫と展望ロビーに来ていた堺市の40代の女性は「世界の人たちに堺の歴史を知ってもらえることになり、とてもうれしいです。ただ、展望ロビーから見ても、全体がはっきりと見えないので、全体が見えるような場所ができたら観光客にも喜ばれるのではないか」と話していました。

専門家は

大阪府立近つ飛鳥博物館の白石太一郎名誉館長は「ピラミッドや秦の始皇帝陵などとともに、世界的に非常に巨大で独特の形態や構造を持つ日本の前方後円墳が、世界遺産として登録されるにふさわしいものだと判断され、古墳の研究に従事する者として非常にうれしく思う」と述べました。

そのうえで「畿内を中心に日本列島各地の勢力が政治連合を形成していた、日本の初期国家の在り方を反映しており、貴重な遺産であるということが評価されたのではないか。また、当時の人たちの死後の世界観についてや、東アジアの国々から日本にどのようなものが伝わってきていたのかなど、当時の国際関係について考える上でも、重要な遺産であることも評価されたのではないか」と述べました。

今後、必要となる取り組みについては「宮内庁の管理のもとでこれまで保護されてきたのはよかった一方、一般に公開されていないのは問題点だと思う。公開の在り方についてはさまざまな意見があるので、世界遺産への登録を機に、国民的議論が深まることを期待したい」と話していました。

古墳テーマに歌うシンガーソングライターは

長年の古墳ファンで、古墳をテーマにした歌を歌うシンガーソングライターの「まりこふん」さんは「大興奮です。古墳ファンにとって歴史的な日なのではないでしょうか。やっと日本の古墳が世界に知ってもらえる時が来た」と話していました。

また、古墳の楽しみ方については「まずは周りを歩いてどのくらい大きいか感じて、古墳を作った当時の人に思いをはせてほしい。地元には古墳をイメージしたカレーや、クッションなどさまざまなグッズがあるのでおしゃれでカワイイものを楽しんでもらいたいです」と話していました。

まりこふんさんは「古墳は全国におよそ16万基あり、身近なところに存在しているので、自分の街の古墳にも注目してもらえたらうれしいです」と話していました。

地元の店も期待

地元では地域の魅力が高まり、より多くの人が訪れてくれると期待する声が上がっています。

このうち、仁徳天皇陵とされる陵墓のすぐ近くの飲食店では、世界遺産登録に向けた機運を盛り上げようと、前方後円墳をかたどった「古墳カレー」を提供してきました。

特製の型を使って古墳の形にごはんを盛りつけたあと、古墳群がまたがる羽曳野市で生産されたいちじくを混ぜ込んだルーをかけたこだわりのカレーです。

店主の中屋麗子さんは「国全体でこれから古墳を守っていこうという流れになっていくのでよかったと思います。店に来るお客さんにも古墳は大事なものなんだと意識してもらいながらカレーを食べてもらえるとうれしいです」と話していました。

また、堺市内の堺山之口商店街にある雑貨店では、5年ほど前から古墳をモチーフにしたアクセサリーやTシャツなどを販売しています。店舗を経営する松永友美さんは大の古墳好きで、去年からは商店街で半年に1度、「古墳祭り」と題したイベントを開催しています。

今月初めの大型連休中に開催したイベントでは、約2500人が全国各地から訪れ、古墳に関連した商品などがよく売れたということです。

松永さんは「全国各地を巡っていても古墳がある町にはとても魅力があると感じます。登録に向けた勧告や古墳のイベントが商店街の存在を知ってもらうきっかけになれば」と話してました。