百舌鳥・古市古墳群 世界文化遺産登録へ

百舌鳥・古市古墳群 世界文化遺産登録へ
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世界文化遺産への登録を目指している大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」について、ユネスコの諮問機関は世界遺産に登録することがふさわしいとする「記載」の勧告をまとめました。これにより、「百舌鳥・古市古墳群」はことしの世界遺産委員会で世界文化遺産に登録される見通しとなりました。
大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」は大阪府内に4世紀後半から5世紀後半にかけて造られた49基の古墳からなる古墳群です。

なかでも仁徳天皇陵とされる陵墓は全長486メートルに及ぶ世界最大級の前方後円墳で、ことしの世界文化遺産への登録を目指しています。

ユネスコの諮問機関「イコモス」は現地調査などを行った結果、世界遺産に登録することがふさわしいとする「記載」の勧告をまとめました。

今回の勧告は4段階ある評価のうち最も高いことなどから、「百舌鳥・古市古墳群」はことしアゼルバイジャンで開かれる世界遺産委員会で正式に世界文化遺産に登録される見通しとなりました。

文化庁は「傑出した古墳時代の埋葬の伝統と社会構造が証明されるなど、この古墳群には、顕著な普遍的価値があると評価された。真実性や保存状況も問題ないとされたと思う。市街化の開発などによって古墳群に影響が出ないよう地域と連携して守っていきたい」と話しています。

国内の世界遺産は現在、文化遺産が18件、自然遺産が4件です。

大阪府 初の世界遺産へ

日本国内の世界遺産は文化遺産と自然遺産の合わせて22件ありますが、近畿の2府4県では唯一、大阪府だけ世界遺産がなく、府は地元とともに「百舌鳥・古市古墳群」の登録に力を入れてきました。

府と地元の3つの市がユネスコへの国内推薦を目指して初めて名乗りをあげたのが平成25年です。

しかし国内候補地を決める文化審議会から、古墳や周囲を含む一帯の保全のあり方や計画が十分でないなど10点にのぼる課題が指摘されました。

堺市などは屋外広告を規制する条例の策定に取り組みましたが、2回目の挑戦となった平成27年にも再び推薦が見送られ、海外の人にも分かる古墳の価値の詳しい説明など5点の課題を指摘されました。

そして翌年の3回目の挑戦でも推薦は見送られ、古墳の歴史的な価値をさらに分かりやすくすることや、観光客の移動手段など、より具体的な課題が指摘されました。

そして4回目となったおととしの挑戦では保存状態の悪い古墳を除いて49まで絞り込んだうえで、将来にわたる保全や管理の計画を具体化しました。

さらに巡回バスの運行など観光客の移動手段などの解決にも取り組んだ結果、その年の7月、国内推薦の候補に決まりました。

吉村知事「登録に全力で取り組む」

大阪府の吉村知事は「大阪が世界に誇る歴史遺産『百舌鳥・古市古墳群』が、世界文化遺産に相応しいということをご理解いただけたものと、大変嬉しく思っております。世界文化遺産登録を応援していただいている皆様に厚くお礼を申し上げます。7月に開催される世界遺産委員会において、勧告のとおり、登録が実現されるよう、引き続き国や地元の市とともに全力で取り組んでまいります」というコメントを発表しました。

柴山文科相「登録に全力尽くす」

柴山文部科学大臣は記者会見で「わが国の貴重な文化遺産が評価を受けたことを大変喜ばしく思うとともに、地元関係者の努力に敬意を表したい。ことし夏の世界遺産委員会で登録されるよう、関係自治体、関係省庁と連携し全力を尽くしていきたい。49基すべての古墳が登録にふさわしいという勧告をもらい、点数にすれば満点だ」と述べました。

菅官房長官「油断することなく全力で取り組む」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「勧告にいたるまでの地元関係者の努力に心から敬意を表したい。また、その努力および世界遺産としての価値が認められたことが、今回の勧告につながったと思っている。諮問機関の勧告通り、本年夏、世界遺産委員会において登録されるよう、政府としては油断することなく全力で取り組んでいきたい」と述べました。