栃ノ心 大関復帰は立ち合いの数センチの踏み込みがカギ

栃ノ心 大関復帰は立ち合いの数センチの踏み込みがカギ
力強い相撲で2連勝の栃ノ心が大関復帰を果たすためにはこだわり続ける立ち合いでの「踏み込み」が大きな鍵を握ります。
13日の朝稽古のあと、栃ノ心は「あと少しの踏み込みなんだよな」とつぶやきました。

親指と人さし指で作った幅はわずか数センチ。立ち合いの踏み込みについて、非常に細かな点にまでこだわっている様子がうかがえました。

大関から関脇に陥落した今場所、栃ノ心は10勝を挙げれば大関に復帰できます。

しかし現在の制度が定着した昭和44年以降、大関から関脇に陥落したのは栃ノ心を含めて18人で、このうち1場所で大関に復帰できた力士はわずか4人しかいません。

おととし春場所、関脇に陥落した琴奨菊は9勝6敗と星1つ届かず大関復帰を果たせませんでした。

おととしの九州場所に陥落した照ノ富士は5日目に途中休場し、その後、序二段まで番付を落としました。

けがなどの影響で調子を崩して陥落した力士にとって、直後にふたけた勝利を挙げることは難しい条件で、栃ノ心はその高い壁に挑んでいます。

大関復帰を目指して栃ノ心がこだわってきたのが立ち合いの「踏み込み」です。

怪力を生かした右四つ左上手が栃ノ心の形ですが、立ち合いの鋭い踏み込みがなければ、相手のまわしを引くことはできずその形に持ち込めません。

栃ノ心は先場所が終わり、春巡業が始まった直後から申し合いを繰り返し、立ち合いの踏み込みを意識して稽古を続けてきました。

そして迎えた12日の初日、立ち合いの強烈な当たりが持ち味の千代大龍に対し、当たり負けすることなく前に出てまわしをつかみ、力強く寄り切りました。

13日は同じく鋭い当たりが持ち味の大栄翔を相手に力強く踏み込み、出足を止めてから右四つに組み止め、豪快につり出し怪力ぶりを見せました。

栃ノ心は「最初からまわしは取れないと思っていた。体を起こしてから取ろうと思った」と振り返り、イメージどおりの展開に手応えを感じている様子でした。

初優勝した去年の初場所を思わせるような充実した内容で2連勝とした栃ノ心。大関復帰に向けて重圧をはねのけるだけでなく、わずか数センチにまでこだわり続ける立ち合いでの「踏み込み」が大きな鍵を握ります。