中国 対米報復のため関税上乗せ発表 600億ドル対象 6月1日から

中国 対米報復のため関税上乗せ発表 600億ドル対象 6月1日から
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アメリカが中国からの2000億ドルの輸入品の関税を引き上げたことを受けて、中国も報復のため関税を引き上げると発表しました。来月1日にアメリカからの600億ドルの輸入品に最大25%の関税を上乗せし、アメリカの圧力には屈しないという立場を鮮明にしました。
アメリカのトランプ政権は中国との貿易交渉で折り合えず、10日、中国からの2000億ドルの輸入品に上乗せする関税を10%から25%に大幅に引き上げました。

これを受けて中国政府は13日夜、報復措置を打ち出し、来月1日からアメリカからの輸入品にかける関税を引き上げると発表しました。

中国はアメリカからの600億ドル相当の輸入品に5%か10%の関税をすでに上乗せしていますが、このうちの9割近くにあたる4500品目余りで上乗せする税率を最大で25%に引き上げます。

対象には砂糖などの食品や化粧品や衣類といった生活用品、それにLNG=液化天然ガスや化学薬品などが含まれます。

今回の措置について中国政府は「アメリカの単独主義、貿易保護主義に対する回答だ」としたうえで「アメリカが貿易交渉の正しい軌道に戻り、互いに利益を得られるような合意を達成することを望んでいる」としています。

中国は先週のアメリカとの閣僚交渉が物別れに終わったあと、「重大な原則的な問題では中国は絶対に譲歩しない」という立場を鮮明にしてアメリカの圧力に屈しない姿勢を強調しています。

一方、アメリカはトランプ大統領の指示を受けて、新たにおよそ3000億ドル分の中国製の輸入品に関税を上乗せする手続きを始めました。

実行されれば、中国からのすべての輸入品が対象になり、米中の貿易摩擦はさらに深刻化し、解決が一層見通せなくなります。

トランプ大統領「報復すべきではない」

アメリカのトランプ大統領は中国がアメリカからの輸入品の関税引き上げを発表する前にツイッターで、中国が報復すれば「事態はさらに悪化する」と警告していました。

トランプ大統領は中国の発表の1時間あまり前にあたる現地時間13日の朝、「中国が交渉で合意しなければ企業は中国からほかの国に移転することを余儀なくされる。中国はさらにひどく損害を受けるだろうと習近平国家主席と中国の友人たちに率直に伝える。中国は報復すべきではない。事態はさらに悪化するだけだ」とツイッターに投稿して、中国による報復措置をけん制していました。

中国「家具の都」輸出に影響

中国からアメリカへの主要な輸出品の1つが家具です。中国で「家具の都」と呼ばれる河北省廊坊ではトランプ政権による関税引き上げに懸念の声が広がっています。

中国から世界に輸出される家具の30%程度はアメリカ向けで、家具はアメリカへの主要な輸出品の1つです。

トランプ政権は中国からの2000億ドル分の輸入品を対象に10日に関税を引き上げ、家具に対する関税の上乗せも10%から25%としました。

北京の中心部からおよそ70キロにある河北省廊坊は中国で家具づくりが盛んな地域で、家具メーカーや卸売り業者など5000軒以上が集積し「家具の都」と呼ばれています。

ここでショールームを構える家具販売会社の冀先徳営業マネージャーは関税引き上げの影響で「この1年、輸出がすっかり減ってしまった」と嘆いています。冀さんの会社は創業以来、30年近くにわたって欧米への輸出を専門にてがけ、一時は売り上げのおよそ40%がアメリカ向けでした。

しかしアメリカによる関税引き上げの影響で売り上げが振るわなくなったため、やむなく輸出販売をやめ、先月からは国内向けの販売に切り替えました。

冀さんは「関税の引き上げ分はこれまで自分たちで負担していた。コストがこんなに増えて状況も悪くなっているのに、どうやって海外に売ったらいいというのか」と諦め顔で話していました。