「民生委員が足りない」改選前に東京都が活動PRを強化

「民生委員が足りない」改選前に東京都が活動PRを強化
地域で1人暮らしの高齢者の見守り活動などを行っている民生委員が、ことし12月に全国一斉に改選を迎えます。

民生委員は各地で担い手不足が課題となっていて、東京都は改選を前に、役割などを紹介する取り組みを強化しています。
民生委員は、任期が3年の非常勤の地方公務員で、児童委員も兼ね、1人暮らしの高齢者の見守りや子育て世帯の支援などに無報酬であたっています。

民生委員は、ことし12月に全国一斉に改選されますが、担い手が不足しているため、都内では3年前の改選時、1万776人の定員に対し、836人が足りない状態でした。

東京都は、民生委員の担い手を増やそうと、13日から活動などを紹介するパネル展を新宿区の都庁で開いています。

パネル展では、民生委員が高齢者や子育て中の世帯などを回って悩みの相談に気軽に応じていることや、大規模な災害に備えて支援が必要な世帯の名簿作りに取り組んでいることなど、地域で重要な役割を担っていることを紹介しています。

また、12日は、およそ1500人の民生委員によるパレードも新宿区内で行われ「1日民生・児童委員」を務めた東京都の小池知事と一緒に、民生委員の活動に関心を持ってもらおうと、アピールしていました。

東京都福祉保健局地域福祉課の渡部裕代課長は「民生委員は、大変そうだなというイメージが先行して、担い手の確保が困難になっているが、こうした機会に活動の内容を知ってもらい、ぜひ委員になってほしい」と話していました。

都内の民生委員は、それぞれの区市町村がことし7月をめどに都に対して候補者を推薦し、その後、厚生労働大臣の委嘱を受けることになります。

中野区の民生委員の現状は

東京 中野区で、民生委員を24年間にわたって務める岡見初音さん(71)は、およそ400世帯を担当し、1人暮らしの高齢者の見守りや子育て世帯のサポートなどを行っています。

岡見さんは13日も、1人暮らしをしている81歳の女性の自宅を訪ねて、体調に変わりがないかを確認し、地区で開かれている食事会に誘ったり、振り込め詐欺が疑われる電話に注意することを呼びかけたりしていました。

訪問を受けた女性は「高齢で1人暮らしなので、何かあったら、すぐに連絡できる民生委員さんは心のよりどころです。とてもありがたいです」と話していました。

岡見さんは「最初は心を開いてくれない人にも根気よく訪問し、地域の情報を届けているうちに心が通じるようになります。少しでもお役に立てたときにやっていてよかったと思います」と話していました。

しかし、中野区でも民生委員の確保は大きな課題になっています。

中野区の民生委員の定員は309人ですが、3年前の改選時に16人が足りず、この3年で任期の途中で辞める人や亡くなった人が4人いたため、現在の欠員は20人に上っています。

このため、区は、13日から今月17日まで民生委員が活動などを紹介する展示会を開き、担い手の確保を進めています。

民生委員の確保が課題

民生委員は3年に1度、全国一斉に改選され、ことし12月に今の委員の改選が行われるため、全国の自治体は次の候補者選びを進めています。

このうち、東京都内の民生委員は、3年前の改選の時点で定員1万776人に対し、実際に委嘱されたのは9940人にとどまり、836人足りませんでした。

都によりますと、この背景には、民生委員の業務が大変そうだというイメージがあることや、地域の活動に積極的に関わらない人が増えていることがあるとみられています。

また、欠員が発生しているため、隣接する地区の民生委員が欠員の地区をカバーするケースもあり、負担が増えているということです。

こうした現状を踏まえ、都はことし12月の改選から委員の年齢の上限を、これまでの73歳未満から75歳未満に引き上げました。

民生委員の確保は東京だけの課題ではなく、神奈川県がすでに年齢の上限を撤廃したほか、埼玉県が78歳未満を上限にしていますが、高齢の委員に頼らざるをえない状況も浮き彫りになっています。

1人暮らしの高齢者の増加や、子育て世帯の支援の充実などが求められる中、地域をよく知る民生委員、児童委員の役割はさらに重要となっていますが、担い手を確保するためには活動を知ってもらうとともに、負担を軽減する取り組みが求められています。