「大嘗祭」で使う米を収穫する地方を選ぶ儀式 亀の甲羅で占い

「大嘗祭」で使う米を収穫する地方を選ぶ儀式 亀の甲羅で占い
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天皇陛下の即位に伴う一世に一度の伝統儀式「大嘗祭」(だいじょうさい)で使う米を収穫する地方を選ぶ儀式が、13日、皇居で行われました。儀式では、宮中に伝わる「亀卜」と呼ばれる亀の甲羅を使った占いが行われました。
天皇陛下の即位に関する儀式の1つ、「斎田点定の儀」(さいでんてんていのぎ)は、午前10時から、皇居の宮中三殿にある、国内の神々をまつる神殿で行われました。

この儀式は、亀の甲羅をあぶってひびの入り具合で物事を決める「亀卜」と呼ばれる宮中に伝わる占いを行い、ことし秋の「大嘗祭」で使う米を収穫する東の「悠紀」地方と、西の「主基」地方という2つの地方を選ぶものです。

神殿の前には、「斎舎」という「亀卜」を行うための幕で覆われた建物が設けられ、儀式には宮内庁の幹部が参列しました。

はじめに宮中祭祀(さいし)をつかさどる掌典長らが、「柳筥」という「亀卜」の結果を納める箱を持って「斎舎」に入りました。そして、「火鑽具」という道具を使っておこした火で亀の甲羅をあぶり、ひびの入り具合から結果を定めたということです。

儀式は、最後に、「柳筥」が宮内庁の山本長官に渡され、40分で終了しました。

一方、天皇陛下は午前11時半すぎ、半蔵門から車で皇居に入られました。

そして、宮殿で、亀卜の結果を受けて選ばれた「悠紀」地方と「主基」地方にあたる2つの都道府県について、山本長官から報告を受けられました。

これらは皇族方や政府にも伝えられ、13日午後、宮内庁が発表することにしています。

斎田とは

「斎田」とは、大嘗祭で使う米を収穫する田んぼのことです。「斎田点定の儀」で東の「悠紀」地方と西の「主基」地方という2つの地方が選ばれたあと、それぞれ、斎田と、斎田の所有者の大田主が選ばれます。

そして、秋になると、それぞれの斎田で、「斎田抜穂の儀」という新米を収穫するための儀式が、天皇陛下の即位に関する儀式の1つとして行われます。

斎田で収穫された米は脱穀や乾燥などを経た上で、皇居・東御苑に設営される「大嘗宮」の一角に大田主によって納められます。
前回、平成2年の大嘗祭にあたっては、「悠紀」地方に秋田県が、「主基」地方には大分県がそれぞれ選ばれ、県の農業団体の推薦によって、斎田と斎田の所有者の大田主が選ばれました。

このうち秋田県で選ばれたのは、五城目町の農家、伊藤容一郎さんの田んぼ、1500平方メートルでした。

斎田となった伊藤さんの田んぼでは、収穫が近づくと周囲に金網が張られ、警察官が伊藤さんの身辺警護や田んぼの警戒にあたるなど、厳重な警備態勢が敷かれました。9月に新米の収穫が行われたあと、脱穀や乾燥などを経て、10月下旬、220キロ近くの新米が皇居に納められました。

当時、伊藤さんは、以前から作付けしてきた「ササニシキ」と、品種改良によって6年前に誕生したばかりの「あきたこまち」の2種類を育てていました。しかし、11月の大嘗祭を前に、早い時期に収穫を行う必要があったため、「ササニシキ」より早く収穫できる「あきたこまち」の田んぼが斎田となりました。

伊藤さんによりますと、「あきたこまち」の米が大嘗祭で使われたことが品種の知名度の向上にもつながり、その後の「あきたこまち」の作付けの広がりを後押ししたということです。