サニブラウン9秒99 五輪出場枠めぐり争い激化

サニブラウン9秒99 五輪出場枠めぐり争い激化
陸上男子100メートルでサニブラウン アブデル・ハキーム選手が9秒99をマークしたことで、東京オリンピックの100メートルの代表争いは最大で3人の出場枠をめぐり、これまでにないハイレベルな戦いが繰り広げられることが予想されます。
東京オリンピックの陸上のトラック種目では、1つの国や地域から最大で3人の選手が出場することができます。

国際陸上競技連盟はオリンピックの参加資格について、東京大会からは出場選手のおよそ50%を参加標準記録を突破した選手、残りの半分の選手については、来年6月29日時点の世界ランキングに基づくとしています。

東京大会での男子100メートルについて、国際陸連は56人の出場を想定していて、参加標準記録は前回のリオデジャネイロ大会の時の10秒16から10秒05と、より高いレベルに設定されました。

参加標準記録は一部の大会を除き、今月1日以降の記録が対象で、11日に9秒99をマークしたサニブラウン選手は、日本選手で100メートルの参加標準記録を初めて突破した選手となりました。

リオデジャネイロ大会以降の自己ベストのタイムは、9秒98の桐生祥秀選手、9秒99のサニブラウン選手、10秒00の山縣亮太選手、10秒07の多田修平選手、10秒08のケンブリッジ飛鳥選手と飯塚翔太選手となっています。

また、世界ランキングはことし2月に国際陸連が導入した新たな制度で、世界中の選手に対して出場した大会での記録と順位、それに大会の格付けなどに応じてポイントを与え、直近の5大会のポイントで、最新のランキングが発表される仕組みです。

世界ランキングは12日現在、桐生選手が13位、山縣選手が18位、多田選手が49位となっています。

サニブラウン選手は昨シーズン、ケガでレースから遠ざかっていたため、上位100人にはランキングされていませんが、今後は上位進出も予想されます。

東京オリンピックの国内の代表選手の選考要項は今後決まる予定で、最大3人の代表枠をめぐるこれまでにないハイレベルな戦いが、来年の東京大会直前まで続くことが予想されます。

朝原宣治さん「メダル狙える逸材」

日本歴代5位の10秒02の自己ベストを持つ朝原宣治さんは「驚かないくらい彼には期待が大きかった。まだまだいくなという思いもあるので、世界選手権や東京オリンピックが本当に楽しみだし、個人でメダルを狙える逸材だと思う」と話しました。

そのうえで「彼がすごいのは、環境をがらりと変えてオランダに行ったり、今はフロリダ大で指導を受けたりと、いろんな情報を吸収して自分のパフォーマンスにつなげているところだ。私が直接彼と話した時も、すごくしっかりしていたし、自分をマネジメントできていると感じた」と話し、海外を拠点に強化を図ったことが成長につながったと評価していました。

土江五輪強化コーチ「リレーではアンカーも」

日本陸上競技連盟の短距離部門の土江寛裕オリンピック強化コーチは「いつでも9秒台が出る選手だと思っていたし、もっととんでもないタイムが出るんじゃないかとも思う。リラックスしてあれだけのスピードを出せるのが彼の強みだ」と話しました。

リレーに関しては「彼をリレーチームにどう迎え入れるかはイメージとして考えている」とし、「3走はないが、2走は大学で経験しているし、1走は室内の60mで日本記録を出せるほどのスタートの能力がある。後半の部分や勝負強さではアンカーということもある」と話しました。

ガトリン「才能あふれ もっとタイム伸ばせる」

アテネオリンピック男子100mの金メダリストで9秒74の自己ベストを持つアメリカのジャスティン・ガトリン選手は「彼のことはジュニアの頃から知っているが、才能にあふれているので、これからもっとタイムを伸ばしていけると思う。トップスピードが速いことが彼の最大の長所だ」と評価していました。