旧優生保護法救済法成立 不妊手術受けた男性は

旧優生保護法救済法成立 不妊手術受けた男性は
旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた人たちを救済するための法律が、24日、参議院本会議で可決され、成立しました。これに対し、不妊手術を受けた男性は、問題の解決に向けた第一歩だと評価しつつ、まだ不十分な点があると話しています。
都内に住む76歳の男性は、非行を理由に宮城県の福祉施設に入所していた14歳の時に、突然、施設の職員から「これから病院に行く」とだけ告げられて、病院に連れて行かれ、不妊手術を受けさせられたといいます。

この時、何の手術を受けるのかは親などから知らされず、およそ1か月後、施設の先輩の話から自身が受けたのは不妊手術だったことを知りました。

男性は29歳の時に結婚し妻は子どもを望んでいましたが、手術によって子どもを持つことができないことを打ち明けられずにいました。

男性は6年前、妻が亡くなる直前に手術のことを打ち明けると、妻は責めることなく、「きちんとごはんを食べてね」などと言って、最後まで男性のことを気遣いながら、息を引き取ったといいます。

男性はニュースで、旧優生保護法をめぐって国を訴える動きが出てきたことを知り、医療機関で自分の体に残る手術の痕を確認したうえで、去年5月、国を相手に裁判を起こしました。

また、去年12月には手術を受けた当事者たちが「被害者の会」を設立し、男性はこの会の共同代表を務め、先頭にたって国に謝罪を求め続けています。

男性は「手術のことを長年誰にも言うことができず、つらい思いをしてきました。妻にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。私たちは人生をやり直すことはできず、一生この問題を背負って生きていくことになります」と話しています。

そして、24日成立した救済法については、「問題の解決に向けた第一歩だが、国の謝罪が明記されていないなどまだ不十分な点があるので、見直しを求めていきたい」と話しています。