スリランカ同時爆破テロ 実行犯は外国で軍事訓練受けたか

スリランカの最大都市コロンボを中心に起きた同時爆破テロ事件で、スリランカ政府は実行犯のグループが外国で軍事訓練を受けていた可能性があることを明らかにしました。捜査当局は、過激派組織IS=イスラミックステートとのつながりがあった疑いを強めていて、外国の捜査機関からの協力も得ながら、事件の全容解明を進めています。
スリランカでは今月21日、最大都市コロンボとその郊外などにあるホテルとキリスト教の教会、あわせて6か所でほぼ同時に起きた爆発などでこれまでに321人が死亡、およそ500人がけがをしました。

スリランカのウィクラマシンハ首相は23日夜、記者会見を開き、今回の事件は国内のイスラム過激派組織による自爆テロだと指摘したうえで、実行犯グループが外国で軍事訓練などを受けていた可能性があることを明らかにしました。また、グループの大半のメンバーの身元をすでに特定しており、このうちの男1人は過激派組織のリーダーとみられるということです。

事件をめぐっては、過激派組織IS=イスラミックステートが23日、インターネット上にISの戦闘員による犯行だと主張する声明を出しています。捜査当局は、実行犯グループがISとつながりがあった疑いを強めていて、アメリカのFBI=連邦捜査局など外国の捜査機関からの協力も得ながら事件の全容解明を進めています。

「法的に拘束できる十分な証拠がなかった」

今回の事件を受けてスリランカのシリセナ大統領は、23日夜、テレビで国民向けの演説を行いました。

この中で、「自爆テロを実行した組織については、2年前に情報を得てから、監視対象としていた」と述べました。そのうえで「組織のメンバーの海外渡航など行動を監視していたが、法的に拘束できるまでの十分な証拠がなかった」として、結果的に取り締まることができなかったことを明かしました。

そして、「このメンバーを海外で訓練したのは国際テロ組織だ」と指摘して、事件には外国のテロ組織が関与しているとの見方を強調しました。

イスラム教のモスクで不安の声

爆破テロが起きたコロンボ中心部のセント・アントニー教会から200メートルほど離れた住宅街には、イスラム教のモスクがあります。23日はおよそ20人の信者がモスクに集まり礼拝をしていましたが、事件を受けて、信者のなかには嫌がらせを懸念している人も多いということで、礼拝に訪れる人の数はふだんより少ないということです。

このモスクの聖職者を務めるナワスディーンさんは、「とても悲しくて何をしていいのか分からない。このようなテロを起こした人間は必ず罰せられるべきだ」と話していました。そのうえで、「事件のあと、周りの人たちが私たちイスラム教徒を見る目が変わったと感じる。私たちに報復しようとする人がいるかもしれない」と不安を口にしていました。
スリランカで起きた同時爆破テロ事件は、イスラム過激派組織がキリスト教徒を狙って起こしたという見方が出ていることについて、国連のデュジャリック報道官は23日、「宗教行事に参加したキリスト教徒への攻撃であることは明白だ」と述べました。そのうえで、「国連としては、暴力が、キリスト教徒に対するものだろうが、イスラム教徒に対するものだろうが、ユダヤ教徒に対するものだろうが、いかなる宗教への暴力にも反対の声を上げ続けている。憎悪に基づく犯罪や言論が高まっていることに断固として反対し続ける」と述べました。