海上保安庁の100%落札 予定価格は把握可能か 内部調査で判明

海上保安庁の100%落札 予定価格は把握可能か 内部調査で判明
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海上保安庁の巡視船などに使う燃料の入札で100%落札が相次いだ問題で、業者が非公開の予定価格を事前に把握できたとみられることが、内部調査で明らかになりました。入札が事実上、形骸化していたことを受けて、海上保安庁は予定価格の決め方を抜本的に改めました。
海上保安庁の巡視船などに使う燃料の一般競争入札について、NHKが平成29年までの2年間に行われた606件の記録を調べたところ、非公開の予定価格と全く同じ金額で落札される100%落札が、全体の51%に当たる307件に上っていたことが分かりました。

これについて、海上保安庁の内部調査の結果がまとまりました。それによりますと、入札の予定価格は、参加する業者に見積もりを出してもらったうえで、民間の団体が発行する値動きを示す情報も参考に決めていましたが、1種類の情報しか使っていなかったため、業者が同じものを入手して値動きを調べれば、予定価格を事前に把握できたとみられるということです。

一方で、業者の談合は調査で確認できなかったとしています。

これについて、国の入札のル-ルを所管する財務省は「予定価格を決める際は、複数の指標を使うなど、業者が類推できないようにするのが原則で、問題があったと言わざるをえない」と指摘しています。

入札が事実上、形骸化していたことを受けて、海上保安庁は燃料価格の値動きを示す複数の情報を使うなど、予定価格の決め方を抜本的に改め、全国の海上保安本部に通知しました。

海上保安庁は「今後、入札に参加する業者を増やして競争性を高め、おおむね3か月ごとに見直しの効果を検証する」としています。

入札に参加の業者「推測は簡単だった」

海上保安庁の巡視船などに使われる燃料の一般競争入札をめぐっては、入札に参加する複数の業者から、予定価格を把握することは容易だったという指摘が出ていました。

このうち、長年、入札に参加している東日本の石油販売業者は、NHKの取材に対し「海上保安庁が参考にしている情報と同じ情報を利用しているため、推測することは簡単だった」と話していて、以前行われた入札で、予定価格と全く同じ額で落札できたということです。

また、同じく以前に予定価格と同じ価格で落札したことがある別の石油販売業者は「もともと値動きの参考となる指標が少なかったこともあり、海上保安庁が設定する予定価格は読みやすかった」と話しています。

3月の入札から改善

海上保安庁は3月に行われた入札から、予定価格の決め方などを抜本的に改めました。

業者が非公開の予定価格を事前に把握できないように、予定価格を決める際に、燃料の値動きを示す複数の情報を使うようにしました。また、入札のあとに公表してきた予定価格や落札率も非公表にしました。

さらに、深夜などの給油にも対応するよう業者に求めてきた要件を見直し、多くの業者が入札に参加できるようにし、競争性を高められるように改めました。

この結果、3月に行った入札では100%落札は、ほぼなくなりました。

海上保安庁は競争性が確保できているか、おおむね3か月ごとに入札の見直しの効果を検証することにしています。