小さな村の村長選挙 昭和50年から12回連続無投票

小さな村の村長選挙 昭和50年から12回連続無投票
北海道の日本海側に位置する初山別村の村長選挙は、昭和50年から12回連続で無投票となりました。
人口およそ1200人の初山別村は、48年前の昭和46年に行われた新人どうしの激しい村長選挙の際、公職選挙法違反で何人もの逮捕者を出した経験から小さな村を二分するようなことがないよう選挙を避ける傾向があると言われていて、村長選挙は、昭和50年から無投票が続いています。

16日告示された村長選挙でも、無所属で現職の宮本憲幸氏のほかに立候補の届け出はなく、無投票で、宮本氏の4回目の当選が決まりました。

これで初山別村の村長選挙は、12回連続での無投票となりました。

4回連続当選の村長は

北海道初山別村の村長選挙で、4回続けて無投票で当選した宮本憲幸氏は「責任の重さを痛感し、身の引き締まる思いだ。産業の担い手対策や子育て支援策などを進めていきたい」と抱負を述べました。

また、無投票で当選したことについては「一定程度の信任は得られたと判断しているが、そうは思わない人もいると思う。今後も住民の声にしっかりと耳を傾けていきたい」と述べました。

住民「誰がなっても一緒だ」

無投票が続いていることについて初山別村の住民に聞きました。

67歳の男性は「誰が村長になっても一緒だ。無投票のほうがいいと思う。特に不平はない」と話していました。

68歳の女性は「喜ばしいことではないと思うが、代わりの人が出ないからどうしようもない」と話していました。

また、63歳の男性は「選挙はやったほうがいいが、今は平和なので、村をかき回してほしくない。村の仲間どうしでけんかはしたくない」と話していました。

63歳の男性は「村に人材がいないということだ。いつまでも同じでは村も変わらないので、やはり選挙はあったほうがいいと思う」と話していました。

専門家「民主主義の観点から望ましくない」

選挙制度に詳しい、北海学園大学法学部の山本健太郎教授は「日本は有権者が主権者だが、主権を行使する機会が選挙に限定されているのが実態だ。選挙が行われないというのは民主主義の観点から望ましくない」と述べました。

そのうえで「長期間選挙が行われないと、政治的な活力がまちの中から失われ新陳代謝も進まず問題だ。町の問題、村の問題は住民が当事者なので、選挙を通して当事者意識を持つことも大事だ」と指摘しました。

さらに山本教授は、無投票が政治家に与える影響について「政治家は選挙で鍛えられることがあり、対立候補から批判を浴びたり有権者から叱咤激励を受けるプロセスを経ることで政策や考え方を見直す機会になる。政策が十分に議論されないことにもつながりかねない」と述べました。