ノートルダム大聖堂火災 国内の世界遺産 対策徹底 募金活動も

ノートルダム大聖堂火災 国内の世界遺産 対策徹底 募金活動も
パリのノートルダム大聖堂で起きた火災を受けて、日本国内にある世界遺産に登録されている城や寺、神社では点検などの対策を徹底しています。

法隆寺「改めて対策徹底」

奈良県斑鳩町の法隆寺では昭和24年の1月26日に金堂で火災が起きて、国宝の壁画などが焼損しこれを教訓に文化財防火デーが制定されました。

寺は平成5年にユネスコの世界文化遺産に登録され、建造物には自動火災報知設備を設置しているほか、延焼を防ぐための放水設備もあり、毎年1月26日には消防と一緒に大規模な防火訓練を行っています。

ノートルダム大聖堂で起きた火災について法隆寺の古谷正覚執事長は「大変驚いていますし、貴重な世界遺産が火災に遭い、残念でなりません。寺でも改めて防火対策を徹底したい」と話しています。

奈良県内では寺や神社が集まる3つの地域が世界遺産に登録されているほか、多くの建造物などが国宝や重要文化財に指定されていて、それぞれ防火設備の点検などの対策を徹底しているということです。

姫路城「しっかり管理 監視したい」

世界遺産の姫路城では、天守閣ややぐらなど建物の136か所に火災の感知機が設置されているほか、スプリンクラーなども整備され、火が出てもすぐに消火できるようにしています。

また観光客が訪れる午前9時から午後5時までは城内の7か所に監視のためのスタッフを置いて警戒を行っています。16日もスタッフが消火栓に不備がないかなどを点検していました。

このほか週に1回以上、消火栓や消火器を使った消火訓練を行っているということです。

姫路城管理事務所の安信光浩係長は「火災に備えた管理体制や最新設備を整えているが、世界遺産は宝であるということを再認識して、しっかり管理、監視をしていきたい」と話していました。

熊野速玉大社「しっかり対策したい」

和歌山県新宮市にある世界遺産、熊野速玉大社には防火対策として本殿や拝殿の周りに放水銃が合わせて6台設置されています。

神社では毎月、放水銃の点検を行っているほか、年に数回、防火訓練を行っているということです。

また、おととし10月に神社の近くの住宅で火事が起きた際には放水銃を使うことで社殿に火の粉がかかるのを防いだということです。

熊野速玉大社の上野顯宮司は「パリでの火災のニュースを見て大変驚きました。同じような被害に遭わないようしっかりと対策を取っていきたい」と話しています。

再建支援の募金活動も

金剛峯寺などの世界遺産がある和歌山県高野町ではノートルダム大聖堂の再建を支援しようと募金を行うことになりました。

町では17日から町役場と富貴支所、それに高野山観光情報センターの3か所に募金箱を設置し、集まった募金は関係機関を通じてフランスに寄付するということです。

高野町の平野嘉也町長は「世界遺産がある高野町としてもフランスの皆さんを支援したい。1日も早い再建を心から祈ります」とコメントしています。

保険料や保険金額の決め方は

損害保険各社によりますと、日本国内の神社や寺など歴史的な建造物では多くの場合、所有者が万が一に備えて火災保険に加入しているということです。

火災保険の保険料や保険金額の決め方は歴史的な建物でも一般の住宅でも基本は同じです。

木造か、鉄筋コンクリート造かなど建物の構造に加えて、建築の時期や費用などからその建物の価値を判断します。さらに建物の所在地が自然災害が多い地域かどうかなどのデータも考慮して決められます。

ただ歴史的な文化財の場合には建築の時期や建築にかかった費用が詳しく分からないこともあり、専門の鑑定人が評価したうえで保険金額などを決めるケースもあります。

また大規模な神社や寺で1件あたりの保険金額が大きくなる場合には複数の損害保険会社が共同でリスクを引き受ける場合もあるということです。失火の場合でも保険金は原則として支払われます。

ただ保険の契約者が故意に引き起こした火事や、著しく不注意の状態だった「重過失」の場合などには支払われないこともあるということです。