上海モーターショー開幕 新エネルギー車に力注ぐ

上海モーターショー開幕 新エネルギー車に力注ぐ
世界最大の自動車市場の中国で、上海モーターショーが16日から始まりました。中国では去年、新車販売台数が28年ぶりに前年を下回っており、各社は、政府からの支援が期待できる電気自動車など、新エネルギー車に力を入れています。
16日から始まった中国で最大規模の上海モーターショーには、各国の自動車メーカーが1400台以上の車を展示しています。

世界最大の自動車市場の中国では、アメリカとの貿易摩擦の影響などで景気の先行きが不透明になり、去年、新車の販売台数が、28年ぶりに前年を下回りました。

こうした中、メーカー各社は、環境重視の姿勢をとる中国政府の後押しで販売が伸びている電気自動車など、新エネルギー車に力を注いでいます。

日系メーカーでは、トヨタ自動車が、自社ブランドとしては初めて中国市場に投入する電気自動車2車種を発表したほか、三菱自動車は、得意とするプラグインハイブリッドのSUV=多目的スポーツ車のコンセプトカーを披露しました。

三菱自動車の益子修CEOは「バッテリーのコストなど克服すべき課題もあるが、われわれは、電気自動車を他社に先駆けて量産した実績もあり、今後も力を入れていきたい」と話していました。

また、中国のメーカーも中国の電気自動車最大手の「BYD」が、15分間の充電で100キロの距離を走行できる新車を発表しました。

さらに、広東省の「小鵬自動車」が、1回の充電で600キロ以上の距離を走行できる新車を発表するなど、各社は中国市場での生き残りをかけてしのぎをけずっています。

中国自動車市場の現状は

中国の自動車市場は、経済成長に伴って右肩上がりを続け、2009年にはアメリカを抜いて世界最大となりました。

しかし、その市場に今、変化が起きています。

自動車メーカーなどでつくる中国自動車工業協会のまとめによりますと、去年1年間の新車の販売台数は2808万1000台と、おととしよりも2.8%減少しました。

新車の販売台数が前年を下回るのは1990年以来、28年ぶりのことです。

背景にあるのは中国経済の減速です。

中国では去年、政府が過剰債務対策として地方のインフラ投資を絞ったり、金融を引き締めたりしたことで、中小企業などの資金繰りが厳しくなったことに加えて、アメリカとの貿易摩擦で景気の先行きが不透明になり、上海株式市場で株価が大幅に下落するなどして個人消費にブレーキがかかりました。

さらに、ことし1月から先月までの新車の販売台数は、去年の同じ時期に比べて11.3%のマイナスと、前年をふた桁下回る状況が続いています。

中国政府は景気対策として、農村部での小型トラックの購入や、一定の環境基準を満たした新車への買い替えなどに対して補助金を出す方針で、新車市場の回復につながるのか注目されます。

普及の課題は「脱補助金」

中国では、新車全体の販売台数は前年を下回っているものの、EV=電気自動車やプラグインハイブリッド車など新エネルギー車の販売は、依然として前年を大きく上回り、急速にEVシフトが進んでいます。

去年の新エネルギー車の販売台数は125万6000台と、おととしを61.7%も上回りました。

また、ことし1月から先月までの販売台数も、去年の同じ時期の2倍以上に伸びています。

中国政府は深刻な大気汚染への対策や、次世代産業としてEV業界を育成するため、購入に手厚い補助金を支給してきました。

ことしからは自動車メーカーに対し、生産台数の一定の割合をEVなどにすることを義務づける新たな規制もスタートさせていて、いわば「あめとムチ」の政策をとっています。

ただ、中国政府は、EV購入の補助金を段階的に引き下げ、来年には廃止する方針です。

一部のメーカーは、補助金引き下げによる購入者の負担増加分を値下げで補ったことで業績が悪化していて、今後のEVのさらなる普及に向けては、補助金に依存しない態勢の確立が課題となっています。