空き家で中国に詐欺電話の疑い マニュアルの証拠隠滅か 警視庁

空き家で中国に詐欺電話の疑い マニュアルの証拠隠滅か 警視庁
日本の空き家を拠点に中国に詐欺の電話をかけていたとみられる台湾のグループが日本に入国する際に滞在先を偽ったとして逮捕された事件で、拠点から押収された詐欺のマニュアルが水につけられて文字が読めない状態になっていたことが分かりました。警視庁は証拠の隠滅を図ったとみて調べています。
先月、日本に入国する際に滞在先を偽ったとして逮捕された台湾出身の男女10人のうちの一部が「中国に詐欺の電話をかけるために来日した」と供述し、警視庁は日本に拠点を置いて中国に詐欺の電話をかけていたとみて調べています。

警視庁は拠点に使われていたとみられる、山梨県甲府市と千葉県東金市の住宅を捜索し、中国語で書かれた詐欺のマニュアルなどを押収しました。

このうち先月末に甲府市の住宅を捜索した際に押収されたマニュアルには、中国の役人だと偽って「あなたの個人情報が悪用されている。解決する必要がある」とうその話を持ちかけて金をだまし取ろうとする手口が書かれていましたが、その後、今月11日に捜索に入った東金市の住宅ではマニュアルが水につけられていて文字が読めない状態になっていたことが捜査関係者への取材で分かりました。

警視庁は男らが逮捕されたあと、証拠の隠滅を図った別のメンバーがいるとみて捜査しています。

台湾詐欺グループ 世界各地に活動拠点

今回逮捕された男女の出身地である台湾では振り込め詐欺の取り締まりが強化され、詐欺グループはヨーロッパや東南アジアなど世界各地に活動拠点を移しています。

台湾の警察当局は、これまでにスロベニアやクロアチア、カンボジア、マレーシア、フィリピンなどに設けられた活動拠点を現地の当局と連携して摘発につなげました。

警察当局によりますと、グループは国や地域をまたいで電話をかける傾向があります。遠く離れた場所から被害者に電話をかければ、捜査の手がおよびにくいためだとみられます。

これまでに摘発された振り込め詐欺グループは、入国ビザが必要ない国に観光目的で入り、不正に入手した個人情報をもとに電話をかけていたということです。

アジトには電話をかけるときの役割とせりふを記した、まるで台本のようなマニュアルがあり、男女が役割を分担しながら電話をかけていたこともわかっています。

また、通話には電話をかけたとき、スマートフォンの画面に警察や政府機関、通信会社など公的な番号が表示されるようにインターネット電話や特殊なソフトウェアが使われているということです。

被害者はさまざな国に及んでいますが、とりわけ中国人はねらわれやすいということです。その理由は台湾の詐欺グループにとってことばの壁がないだけでなく、中国本土には貯蓄をする習慣が根強く残っていることがあるためで、貯蓄が多い高齢者が狙われやすいとしています。